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 ブロードバンド環境の整備を背景に、IPネットワーク経由で映像を送信する、いわゆるネットワークカメラの導入ユーザーが増えている。防犯・監視だけでなく、販売やコミュニケーション支援など用途も拡大。メーカーはソリューション展開を狙い、SIerとの連携を強化する考えだ。



 「ここ1年でネットワークカメラの需要が急伸している。ブロードバンド環境の整備に従い、この勢いはもっと加速するはず」。こう話すのは、パナソニックSSマーケティングの荊尾かたらお健二AV&S事業部セキュリティグループIPセキュリティプロジェクトリーダーだ。法人向けカメラの分野は今までアナログが中心だったが、最近はIPネットワークを使うシステムが増えたことで、新たな市場開拓が始まっている。

 松下電器産業が手掛けるネットワークカメラ「i-Pro」シリーズの今年度(2007年3月期)の販売台数は、前年に比べ17%増加する見込み。キヤノンマーケティングジャパンもネットワークカメラの成長に手応えを感じている。2006年12月末時点で、販売台数は前年比で20%増加し、売上高は40%増えるもようだ。

 「最近の商業施設やビルの多くは監視用にネットワークカメラの導入を前提に施工しているため、引き合いが増えている」(アクシスコミュニケーションズ日本法人の浅野誠一社長)。アクシスコミュニケーションズは「Axis」シリーズを販売。2006年1~9月の売上高は前年比で約20%増えた。

 「IPELA」シリーズを手掛けるソニーも、ネットワークカメラのビジネス展開を急ぐ。「新たなユーザー企業に対してはネットワークカメラを提案していく。アナログカメラを売り込むことはほとんどない」。ソニーの濱秀樹B&P事業本部XI'sプロジェクト室担当部長は、こう言い切る。

SIerの出番が増える

 ネットワークカメラの販売の伸びは、システムインテグレータにとっても朗報だ。「ネットワークカメラではシステムやネットワークの構築ノウハウが必須となるため、SIerの出番が増える」(キヤノンマーケティングジャパンの長塚俊一プロフェッショナル機器カンパニー・マルチメディア商品企画部セキュリティシステム商品企画課長)からだ。

 アナログカメラの場合は電気工事会社が請け負い、同軸ケーブルでカメラと接続する。導入プロジェクトは、主にユーザー企業の総務部門が担当している。このためSIerのビジネス機会はほとんどなかった。

 ネットワークカメラのソリューションとなると、導入時だけでなく営業段階でもSIerの力が求められる。ユーザー企業でネットワークカメラの導入を担当するのは、基本的にシステム部門になるからだ。「商談の段階で、ユーザー企業のシステム部員ときっちり対話できなければならない。そうした人材のいるSIerとの関係を強化したい」(パナソニックSSマーケティングの荊尾リーダー)。

 このためネットワークカメラのビジネスでは、メーカーとSIerの関係強化が成否の鍵を握っている。ソニーの岩崎研一B&P事業本部商品企画・マーケティング部門IPELA企画マーケティング部担当部長も「ネットワークカメラで勝つには、SI能力の高いパートナーとの協業が欠かせない」と話す。



本記事は日経ソリューションビジネス2006年12月30日号に掲載した記事の一部です。図や表も一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。
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