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 攻めのIT投資──。ユーザー企業が掲げる共通の課題だ。好景気を受けて業績好調な今こそ、売り上げ拡大や新規ビジネスの創造につながる戦略的な情報システムを望んでいる。そのユーザー企業を取り巻く環境は2007年以降、変革の大波に一気にさらされる。「内部統制」を筆頭に、「2007年問題」「Web2.0」など、どれもユーザー企業が避けては通れない課題だ。ユーザー企業のIT投資の在り方は、今後数年で激変する。
 ソリューションプロバイダはその変化を、長年抱えてきた課題を一掃するための、一大決心のときととらえるべきだ。ユーザー企業との取引関係を“大掃除”し、SI依存のビジネスからの転換を図ることで、新しいビジネスモデルを確立する好機である。これまでのITビジネスをバージョンアップする「ITサービス2.0」の時代が幕を開けようとしている。 



 2006年、ITサービス業界は活況を呈した。金融業界を筆頭に仕事はいくらでもあり、ソリューションプロバイダの経営者の最大の関心事は、仕事をこなすためのリソースをいかに確保するかだった。野村総合研究所の藤沼彰久社長は「顧客からの要求に応えきれない。今後2年間は今の状況が続くだろう」と話す。

 ただし、IT投資が増えて業績好調だからといって、安穏とはしていられない。ユーザー企業を取り巻く経営環境は大きく変化し、それは確実に、IT投資の姿勢にも影響を及ぼしつつある。その変化に対応できないソリューションプロバイダは淘汰されかねない。

 ならばむしろ、ユーザー企業の変革を機に、ソリューションプロバイダ自らがビジネスを変えていく必要がある。ITサービス業界が抱えていた課題を、今こそ解決する大決心のときを迎えたのだ。そして「内部統制」「2007年問題」「Web2.0」で象徴される三つのメガトレンドが、大決心の引き金となる変化の大波である。

内部統制で取引関係を大掃除

 現在、ユーザー企業に変革を迫る最大の課題は、言うまでもなく内部統制である。企業経営に対する株主や社会の目は厳しさを増し、もし信頼を失うような事態が起これば、即刻市場から退場を命じられる。昨年末、日興コーディアルグループの不明瞭な決算が明らかとなり、同社の株式が東京証券取引所で監理ポストに割り当てられ、トップの辞任に追い込まれたのは記憶に新しい。

 このケースは論外としても、ユーザー企業は内部統制の整備なしに経営を考えられなくなっている。昨年11月に金融庁から日本版SOX法の実施基準案が公表され、ユーザー企業の取り組みはいよいよ本格化。2009年3月期の決算までに対応を迫られるとあって、待ったなしの状況だ。

 この課題を、ソリューションプロバイダの立場から考えるとどうか。もちろん、内部統制対応のITソリューションを売り込む好機という面はある。だがそれだけでは不十分。これを「ユーザー企業との取引のプロセスを大掃除する契機」にできるか否かが今後の企業の成長力を左右する。あいまいな契約、あいまいな仕様のままで開発させられ、失敗すれば責任を負わされる、というばかげた話からおさらばするのだ。

 2007年問題では、ユーザー企業のベテラン世代が引退し、レガシーシステムの維持が困難になる。半面、このようなユーザー企業の情報システム部門の弱体化は、ソリューションプロバイダからすれば仕事の領域を広げるチャンス。ユーザー企業が内部で抱えきれなくなった保守・運用の機能を請け負って、ストック型ビジネスへの転換を進めることができる。

未踏の新ビジネスを開拓

 財務省の統計によると、2006年7~9月期の全産業の設備投資額は、前年同期比12.0%増と高水準で、14四半期連続のプラスとなった。ユーザー企業はこの旺盛な投資資金を、売り上げ拡大に向けた戦略投資に振り向けようとしている。その投資分野の筆頭は、インターネットを核に急速な革新を続けるコンシューマITの領域だ。

 いわゆるWeb2.0の潮流は、消費者の購買行動を変え、消費者に圧倒的な力を与えた。企業が販売戦略を考える上で、Web2.0は最大の関心事項となった。

 だが多くのソリューションプロバイダは、Web2.0を一部のネット企業が手がけるニッチ分野と目を背けてきた。それでは、大きなビジネスチャンスをみすみす見逃すことになる。Web2.0に正面から取り組むことで、ユーザー企業の“新たな財布”を、IT領域に引き寄せることができる。



本記事は日経ソリューションビジネス2007年1月15日号に掲載した記事の一部です。図や表も一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。
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