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 フリーアドレス型オフィスのソリューション商談が、2006年後半から活気付いている。IP電話システムを単なる通信コスト削減の手段ではなく、オフィスの生産性向上につなげるためだ。無線機器も新製品が登場したりコストが下がるなど、構築環境が整ってきた。



 「単なるIP電話システムの商談では『いくら安くなるのか』と言われる。それがフリーアドレス型オフィスを前提にしたIP電話のソリューションとなると、価格以外の訴求力が出てくる。PBX(構内交換機)の入れ替え需要が中心だったIP電話商談の“次の一手”になる」。NTTデータの鈴木光昭ビジネスソリューション事業本部ネットワークインテグレーションサービスユニット部長は、IP電話システムの商談の変化をこう語る。

 NTTデータは2005年初めから、IP電話システムの導入やネットワーク構築、アクセス管理などを一体化したソリューション「VANADIS」を展開中。2006年秋には無線IP電話の構築や在席状況の通知機能などのメニューを追加した。これらを組み合わせたフリーアドレス型オフィスを商談の糸口にしたところ「顧客との間で、従業員の生産性向上を明確に意識して商談を進められるようになった」(鈴木部長)と言う。

 フリーアドレス型オフィスとは、従業員に固定の席を割り当てずに、どこの席でも仕事ができるようにしたオフィスのこと。もともとはオフィスファシリティ業界が「組織変更時に机を動かさずに済み、維持・運営コストを抑えられる」「一つの机を複数の社員で共有できるため、スペース効率が高まる」といったメリットを打ち出して提案してきた。

 それが2006年からIP電話ベンダーを中心に、在席状況を管理するプレゼンスサーバーや、低価格な無線LAN機器といったフリーアドレス型オフィスの中核システムを急速に拡充。製品や価格面での選択肢が広がり、企業が本格導入できる下地が整ってきた。

 ユーザー企業がフリーアドレス型オフィスを導入する最大の狙いは、社内のリソースをフル活用して生産性を高めること。2006年2月にフリーアドレス型オフィスを採用した新日鐵化学は、本社にいる約200人の全社員を一つのフロアに集約。NTTドコモの無線LAN一体型携帯電話「N900iL」と無線LAN対応ノートパソコンを配布したり、間仕切りを低くしたりするなど社員同士のコミュニケーションが高まるようなオフィス環境を作った。「営業や経営企画、経理など異なる部門の担当者が、居場所をすぐに確認して会議や打ち合わせを始められるようになった」と、経営企画本部総務部の石井秀雄氏は導入のメリットを語る。

 フリーアドレス型オフィスのメリットを十分に引き出すためには、社内のさまざまな業務システムと電話系システムをつなぎ合わせて提案する工夫が不可欠。そこで電話系システムを手掛けるネットワークインテグレータ以外にも、ビジネスチャンスを見出して参入するソリューションプロバイダが登場している。

 富士通ビジネスシステムはその1社。単なる電話系システムではなく、「受発注や生産管理といった業務システムを見直す」といった案件に絡めたソリューションを検討中。そのために2006年8月からKDDIの無線IP電話機「E02SA」を自社内に導入し、構築や運用のノウハウを蓄積している。



本記事は日経ソリューションビジネス2007年1月30日号に掲載した記事の一部です。図や表も一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。
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