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 Microsoftは米国時間3月14日,音声認識技術を開発するTellme Networksを買収する計画であることを発表した,買収総額は8億ドル前後になると見られる。Tellmeはカリフォルニア州マウンテンビューに本拠を構える非公開企業。

 Microsoftは,音声認識や,テレフォニーとデータ通信が交差する分野の技術に関する深い専門知識をもった会社を取得することになる。Microsoftはかねてよりこの分野に強い関心を示してきた。

  CNET News.comは12日の報道で,両社の間で進行している買収交渉が今週中にも発表される見通しであることを伝えていた。

  買収は2007年第2四半期に完了する見通し。両社とも本買収の金銭的な条件を一切明らかにしていない。The Wall Street Journalは今週,Tellmeが8億ドルで買収される見通しだと報道していた。

 Microsoftはさまざまな方法でTellmeの技術を自社製品に統合することが考えられる。企業向けの製品でテレフォニー技術と電子メールシステムを統合することや,既存のソフトウェア製品への音声合成技術の搭載,携帯電話向けLive Searchの強化などが挙げられる。同社はまた,音声技術を利用したアプリケーションの開発を可能にするプラットフォームを社外の開発社向けに用意する計画も明らかにしている。

 Microsoft Business DivisionのプレジデントJeff Raikes氏は声明で,「われわれは音声技術の開発で大きな成果を収めてきたが,それでも,この技術で可能なことのごく一部しか実現できていない。Tellmeの買収により,Microsoftは既存の音声機能を強化し,顧客やパートナーに短期的および長期的な価値を提供できるようになる」と述べている。

 Tellmeの最近の取り組みの大半は,携帯端末に重点が置かれている。同社は先ごろ,ユーザーが欲しい情報を音声入力すると,そのデータが携帯電話に送信されるという携帯電話用アプリケーションのテストを開始している。またTellmeが同じくテスト中の2つ目のサービスでは,ユーザーが検索クエリをテキストメッセージで送信すると,検索結果が書かれたテキストメッセージが返信される。

 Raikes氏は3月に行われた最近のインタビューで,携帯端末が果たす役割や,音声とデータの融合の可能性について話した。だが,同氏もMicrosoftがTellmeを買収するとの憶測については具体的なコメントを控えていた。

 Raikes氏と,Tellmeの最高経営責任者(CEO)であるMike McCue氏は14日,ここ10年間ほとんど変化していない電話に,音声認識技術が重大な変化をもたらす可能性を秘めていると述べた。

 McCue氏は報道陣との電話会議のなかで,「これはいろいろな点で『ダイヤルトーン2.0』的だ」と述べている。

 Tellmeは2006年に新規株式公開を実施するものと見られていたが,公募が行われることも,公開に先立って必要な書類が証券取引委員会(SEC)に提出されることもなかった。最近は買収の噂が絶えず,買収元としてGoogleやMicrosoftの名が挙がっていた。

 Tellmeに出資するBenchmark CapitalのパートナーKevin Harvey氏は株式を公開するか,それとも売却に踏み切るかは,新興企業にとって大きな問題だという。

 Harvey氏は14日,「Tellmeの場合,音声と情報サービスの融合について,経営陣が幅広く発展的なビジョンを描いていた。最終的には,Microsoftと組む方が,ビジョンを実現しやすいことは明らかだったと思う。同社は,新規株式公開をできるだけの財務状況にもあった」と述べる。

 Tellmeは約320人の従業員を抱え,黒字経営を実現していた。直近の2000年10月を含め,何度かベンチャーキャピタルから資金を調達しており,これまで2億3000万ドル以上を集めている。同社には,Microsoft元幹部のBrad Silverberg氏も出資している。

 Microsoftによると,Tellmeの幹部や従業員は買収完了後にMicrosoftに移籍する予定だという。また,MicrosoftはTellmeの既存サービスを継続する意向だ。

 Tellmeは,消費者向けの音声ポータルを運用するほか,FedEx,American Airlines,American Expressなどの大企業に音声応答システム向けの技術を提供している。Raikes氏とMcCue氏は電話会議で,電話番号案内サービスの半数でTellmeの技術が利用されているため,米国人の3人に1人が毎年同社の技術を利用していることになると述べている。

 Tellmeの業務はRaikes氏のビジネスソフトウェア事業部に組み入れられるが,Microsoftには,この技術を使って,モバイル検索分野の競争でGoogleなどに対して優位な立場につきたいと考えている。Raikes氏は,「全社に幅広く浸透するだろう」と述べる。

 Tellme買収を皮切りにMicrosoftが検索分野の買収を今後も進めるのかどうかという質問に対し,Raikes氏は,詳細は明らかにしなかったものの,「Microsoftに優秀な人材をもたらす企業の買収は常に検討している」と述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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