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 ブロードバンドやNGNの時代を迎え、ASP事業に注力する企業が増えている。価格下落で苦しむIT業界にとっては、安定収入を得られる事業としても見直されている。



 「ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)への方向は間違っていない。ASPは時流に合っている」。こう語るのはシステム販売会社のニイウス コーの末貞郁夫会長だ。2007年6月期中間決算の説明会で、ハードやソフト販売を主体とするディーラービジネスから、ASP事業を核としたサービスビジネスへと転換する決意を示した。

 同社は3年間で約200億円を投じ、データセンターなどITインフラやASP事業のメニューを整備してきた。既に地方銀行向けの勘定系/情報系オンラインシステムや中小クレジット会社向けシステム、外為オンライン、個人ローンシステム、通販会社向けシステム、統合医療情報システムなど約20種類のアプリケーションを開発。自社のデータセンターから順次、サービスを始めている。

 だがスタートが遅れたため、今期のASPサービスの売り上げは当初の見込みより約100億円も減りそうだ。さらに特別損失も加わり、07年6月期は最終損益が赤字になるもよう。道は必ずしも平坦ではないが、末貞会長は冒頭のようにASP事業の強化を宣言した。

事業拡大のチャンスに

 売上高が約800億円のニイウス コーが方向転換を急ぐ背景は、ハードやソフトの急速な価格下落にある。システム販売会社だけでなく、人月をベースにしたシステム構築会社も今後の方向を模索している。そうした中、安定的に収入を得られる事業としてASPが再び見直されている。

 新日鉄ソリューションズのようにCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)のASP事業で成功している米セールスフォース・ドットコムとの協業などに活路を求めるITサービス会社もある。

 ASPサービスはこれまでも登場してきたが、ネットワークの制限もあってユーザー企業への普及に時間がかかっている。従量課金なので、売り切りのビジネスに比べて資金回収まで長期間にわたる点も、ITサービス会社には難しい運営を迫られる。しかし最近はブロードバンド化やNGN(次世代ネットワーク)への期待に加え、「自前でシステムを持たない」といったユーザー企業の変化もある。ASP事業の拡大に向けた転換期といえそうだ。

 システム販売の大塚商会もASP事業に本格的に乗り出した。通販システムの「たのめーる」を、企業の購買システム用に機能強化させてASPで提供しているのが「たのめーるプラス」である。間接財に加えて、その企業が必要とする直接財までカバーする仕組みで、06年12月末で243社のユーザー企業の獲得に成功。振り込み代行サービスなどASPサービスのメニューを拡充させており、毎月安定して収入が入るビジネスモデルを確立させつつある。



本記事は日経ソリューションビジネス2007年3月30日号に掲載した記事の一部です。図や表も一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。
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