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 機器単体の販売では大きな伸びが期待できない複合機。しかしソリューションプロバイダにとっては、情報システムとの連携を視野に入れたソリューションとして打ち出すことで、中堅・中小企業ユーザーのIT投資を引き出す格好の戦略商材になる。



 「複合機をパソコンの入力端末と位置付け、情報システムの付加価値を提案することでシェアを伸ばしている。単なるコピー機の置き換えと思ってはならない」。大塚商会の村田守マーケティング本部ODSプロモーション課課長は、中堅・中小企業向けの複合機関連ビジネスの可能性をこう指摘する。

 同社は、成熟市場であり低成長といわれる複合機の販売で2006年、前年比13%増と二ケタ成長を達成した。そのうちの相当数が、同社のERP(統合基幹業務システム)SMILEシリーズとの連携用途で導入されたもの。同社のERPビジネスの伸びに大きく貢献している。

 コピーやプリンター、スキャナー、ファクシミリなどの機能を1台で備える複合機(MFP:Multi Function Printer)。キヤノンやリコー、富士ゼロックスなどのOA機器メーカーが製品化しており、それぞれの機能を単体で導入するよりも安価で設置面積も狭くて済むなどのメリットから導入が進んだ。

 だが現在、複合機市場は伸び悩んでいる。「コピー機などのユーザー企業はリース切れのタイミングで、より低コストの新機種に置き換えるだけ。その結果、複合機も単体では大きな伸びは期待できなくなっている」(キヤノンマーケティングジャパンの石川計一ITソリューション企画本部ドキュメントソリューション商品企画部部長)。

内部統制への対応を提案する

 しかしITサービスの観点から見ると、違う可能性が見えてくる。多くのソリューションプロバイダにとって、中堅・中小企業のIT化ニーズの開拓はなかなかうまくいかない課題の一つ。中堅・中小企業には専任のIT担当者が少なく、IT予算もふんだんにあるわけではないからだ。ところが複合機を情報システムと連携させる提案は、中堅・中小企業のIT投資意欲を引き出す切り札になり得る。大塚商会の二ケタ成長はその象徴だ。

 IT化の遅れた中堅・中小企業の最大の課題は、契約書や発注伝票、出荷伝票など、膨大な紙文書をいかに管理するかである。特に最近では、個人情報保護などのセキュリティ確保や内部統制への対応のために、文書管理の強化は避けては通れなくなっている。

 内田洋行の宮脇保裕マーケティング本部特別販売統括部長は、「中堅・中小企業も内部統制の整備に取り組むことが求められるようになり、厄介な紙文書の管理を何とかしなければと考えている」と話す。

 内部統制では、業務に不備が生じたり違法行為が起こったりしないよう、業務の有効性や効率性、財務報告の信頼性などを担保することが必要になる。日本版 SOX法(金融商品取引法)が適用されれば、上場していない中堅・中小企業といえども、取引先から内部統制対応を求められる。

 そして内部統制実現には、業務の標準化や業務フローの整理、社員ごとの業務権限を徹底した業務遂行が必須である。業務に必要な文書の整備と、改ざんなどの恐れのない文書保管の仕組みも必要になる。

 大企業なら、アイデンティティ管理や文書管理、ワークフロー管理などの情報システムを導入することで対応できるが、中堅・中小企業がいきなりそうしたシステムを導入するのは敷居が高い。だが複合機が備える機能を活用すれば、“お手軽な解決策”を提案できるのだ。



本記事は日経ソリューションビジネス2007年5月15日号に掲載した記事の一部です。図や表も一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。
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