PR

 ほとんどのソリューションプロバイダの営業担当者にとって、商談がクローズすれば仕事はいったん終了だ。しかし、そこでユーザー企業との関係が途切れるわけではない。付き合いが続いて再び商談を呼び込めるのか、または信頼を失って二度と声をかけてもらえなくなるか。どちらに転ぶかは、契約後の対応にかかっている。本誌の人気コラム「商談の軌跡」に掲載した事例を追跡し、その後の行方を追った。



 受注に向けた競合他社との競り合いやユーザー企業との駆け引きーー。修羅場を潜り抜けて来た営業担当者の役割は、その商談をクローズできればひとまず終わる。だが営業担当者にとってユーザー企業との本当の付き合いは、むしろ商談がクローズした時点から始まる。システムの開発過程や稼働後のサポートで、さまざまなトラブルが発生しやすいからだ。そのフォローも営業担当者の大事な役割になる。

 石川県能美市の産業機器メーカー、アサイグループはユニアデックスに無線IPシステムを発注したが、その後のユニアデックスの支援体制に不満を抱いた。「なぜノウハウを持った担当者が現場に駆けつけないのか」と管理部副部長の北山由美は憤る。

 静岡県浜松市のフィルターメーカー、東洋ロキ製造はシーイーシー(CEC)に出退勤管理などのICカードシステムを発注したが、稼働して3日後に障害が発生。そのときのCECの対応に疑問を抱いた。「ユーザーの視点で対応してほしかった」と、情報システム管理室室長の河合秀俊は肩を落とす。もちろんユニアデックスもCECも後日の担当者のフォローが奏効し、現在は良好な関係を築いている。

 ユーザー企業にとってシステムの発注は、プロジェクトを共に進めていくパートナーを決める過程に過ぎない。今後も長い付き合いが続いて再び商談を呼び込めるのか、または信頼を失って二度と声をかけてもらえなくなるかは、契約後の対応にかかっているといっても過言ではない。

 埼玉県の鳩ヶ谷市役所は、熊本市のRKKコンピューターサービスに基幹業務システムの開発を依頼した。発注後にパッケージの機能不足などが発覚したが、無事に開発を終えて互いに「Win-Win」の関係を築いている。「ソリューションプロバイダには、パートナーという意識で我々と取り組んでほしい」と、鳩ヶ谷市役所の都市建設部まちづくり推進課主席主幹の望月昌樹は語る。

 ユーザー企業にとっては、契約した後こそが本番。トラブルを、いかにフォローするかがソリューションプロバイダの営業担当者の腕の見せどころだ。

(文中敬称略)



本記事は日経ソリューションビジネス2007年6月30日号に掲載した記事の一部です。図や表も一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。
同誌ホームページには,主要記事の概要や最新号およびバックナンバーの目次などを掲載しておりますので,どうぞご利用ください。
日経ソリューションビジネス・ホームページ