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 パソコン数台の小さな取引から始まったシステムサポートとアイビー化粧品の関係。動きの鈍い既存ベンダーを出し抜き、ついに、本命馬として大型案件を受注するまでにのし上がった。

=文中敬称略


 「弊社より2年分の『想い』を、ポータルサイト構築プロジェクトに込めてご提案させていただきます」。

 システムサポート(STS)東京支社BS事業部営業の川橋範和が、アイビー化粧品の販売店向けWeb受発注システム再構築の商談で、最終提案書の1枚目に添えた一文だ。事情を知らない関係者が見れば赤面しそうな文面も、川橋にとっては本番に向けた意気込みを率直に表現したに過ぎない。

 今回の商談は、STSを含め4社で競合した。しかし、実態はSTS以外すべて“当て馬”。アイビー化粧品の営業管理部情報企画チームTeam Leaderの川崎哲志は「STSが本命だった」と明かす。

 川橋が飛び込み営業でアイビー化粧品を訪問したのは2003年8月。ここから週1回の訪問を粘り強く続け、12月、数台のパソコンの受注から取引が始まった。以後、2004年2月にエステサロン向け顧客管理システム、同年6月に社内ネットワークの再構築を受注した。

 顧客管理システムと言っても、スタンドアロン型で当初は1店舗の導入と小規模。それでも川橋は、導入現場に立会って対応した。アイビー化粧品の川崎は「現場では何かしらトラブルがつきものだが、STSの対応を見ていると安心して任せられた」と言う。

 こうして、小さな案件からコツコツと実績を積み上げるうち川崎の信頼も厚くなり、1億円に上る今回の大規模案件で本命の指名を受けるまでになった。

既存ベンダーの隙を突く

 アイビー化粧品は、全国約240社の販売店にいる営業が近隣家庭を訪問して商品を販売する。Web受発注システムは、販売店が商品を仕入れるためのシステムである。

 再構築の主な理由は、基幹システムとリアルタイムに連携できないこと。このため、バッチ転送中に発生した注文データは、後から手入力するなど運用上の手間が生じていた。また、サーバー機も老朽化。「そろそろ再構築が必要かな」。そんな川崎のつぶやきを、STSの川橋は聞き逃さなかった。

 川橋にとっては受注の可能性が高い商談だった。現行システムを構築したX社の営業担当者の訪問頻度が落ちていたからだ。実は、川橋が2004年6月に社内ネットの再構築を受注できたのも、X社の動きが鈍かったから。以前の社内ネットはX社が構築したが、その後、再構築を提案する素振りもなかった。川橋は、そういう状況を把握したうえでネット再構築の提案を持ちかけたのだ。



本記事は日経ソリューションビジネス2007年7月30日号に掲載した記事の一部です。図や表も一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。
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