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 Microsoftは,かつては米国特許商標局の地味な客にすぎなかったが,近年では大口の顧客になっている。

 過去2カ月だけでMicrosoftの500件以上の特許出願が公開された(特許出願は一般に出願後18カ月たたないと公開されないため,この数字は実際には同社が2006年中ごろに積極的に出願していたことを示している)。

 しかし,最近世間の注目を集めているのはある特定の特許出願である。この特許はコンピュータが人間の心拍数,血圧,顔の表情といった要因に反応してアクションを起こせるようにする方法に関するものである。ロンドンのTimes紙は今週,このようなテクノロジは,従業員がストレスを感じていたり生産性が低下していたりすると思われる場合にそのことを雇用者に通知するといった,「ビッグブラザー」のような監視状況を生み出す可能性があるという記事を掲載した。

 しかし,この特許は上司に監視ツールを提供するためというよりも,むしろ有用かつ妥当性の高い支援システムをソフトウェアに組み込むことを目的としたものだと筆者は聞いている。もちろん,テクノロジが将来どのような方向に向かうのかは誰にも予測できないし,Microsoftの特許にもこうした用途のいずれかまたは両方が含まれている可能性がある。

 Microsoftは個々の特許出願についてはコメントしないのが普通だが,この特許に関しては知的財産・ライセンス担当バイスプレジデントであるHoracio Gutierrez氏が声明という形で若干のコメントを述べている。

 「おおざっぱに言うと,この特許出願は活動監視システムを改善することを目的とした革新技術に関するものであり,心拍数などの肉体の状態を監視することによってユーザーが活動の遂行に支援が必要であることを検知した場合には,そのユーザーを助けられる可能性のある他のユーザーに連絡を取ることによって支援を提供する」とGutierrez氏は述べている。「革新技術の事業に携わっているほとんどの企業でそうであるように,当社の特許出願にも,当社の製品に現在すでに使用されている発明品を反映したものもあれば,将来の潜在的な利用のために開発中の革新技術を反映したものもあるということを心に留めておいていただきたい」(Gutierrez氏)

 出願書類に目を通すとその企業が向かっている方向性を垣間見ることができるが,多くの注目を集めているAppleの特許出願がそうであるように,出願書類に記載されている内容を実現した製品が最終的に販売されるかどうかはまったく保証の限りではない。

 Microsoftが特許出願戦略を強力に推進しているのにはいくつかの要因がある。その1つは競争であり,主要なライバル企業が,重要な鍵を握る革新技術にアクセスできないようにすることがその狙いである。しかし,Microsoftは数年前から幅広い知的所有権をライセンス供与する取り組みを始めており,テクノロジのライセンスを大小さまざまな企業に供与している。その後は多数の特許クロスライセンシング契約を締結しており,最新の例としては米国時間1月15日に締結された日本ビクターとの契約がある。

 最近公開されたMicrosoftの特許出願の多くは検索と広告に関するもので,これらは同社がGoogleに対して巻き返しを図ろうと多額の資本を投下している分野である。これに該当する特許は数多く存在しており,それについてはまた稿を改めて論じたいが,最近の出願書類にはビデオ広告のスポット市場の構築やビデオ広告とバナー広告を組み合わせたマーケティングの構築に関するものなどがある。

 その他の特許出願には,水洗いできるキーボード水洗いできるマウスといったハードウェアの設計が含まれる。市場にはキーボードマウスのほかにも水洗いできる製品が出回っている。

 もう1つの特許はいわゆる「マネージドコピー」に関するものである。これはビデオファイルやDVDを対象としたものであり,デジタル著作権管理(DRM)を使用してユーザーが各種のデジタル機器で再生可能なコピーを作成できるようにするとともに,コピーの回数に制限を設けることを可能にする技術である。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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