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 仮想化技術が、市場で急速に存在感を増している。中でも2008年の注目株は、倍々ゲームで案件が急増している「PCサーバーの仮想化」だ。IT インフラ商談では5年に1度あるかという「大波」が到来。大企業だけでなく中小企業にも普及し始めており、すべてのPCサーバー商談に潜在需要がある。「この1~2年は、導入ノウハウ自体でビジネスが成立する」。仮想化商談で先行するソリューションプロバイダはこう口をそろえる。ITインフラ商談の価格下落が続く中、自らの腕次第で稼げる絶好のテーマだ。

 それだけでない。仮想化は、ITインフラの構築手法や顧客との関係をがらりと変える。この大波に乗り遅れれば、今後3~4年は続く仮想化の「アフター商談」を失い、ソリューションプロバイダのビジネス基盤が揺らぐ恐れすらある。



 「月ごとに案件数が伸びている。2007年度下期の受注実績は、12月末までの3カ月だけで、既に06年からの過去1年半分の受注件数を超えた」。日立製作所 第1プラットフォームソフトウェア設計部の奥原進担当部長は、予想を超えるPCサーバーの仮想化商談の活況に驚きを隠さない。

 日立だけではない。日本ヒューレット・パッカード(HP)や日本IBM、NEC、富士通など、サーバー仮想化商談を早くから手掛けてきた大手メーカー各社も「05年ころから現在まで、倍々ゲームの勢いで案件数が伸び続けている」と口をそろえる。

 流れを後押しするのは、仮想化技術に対するユーザーの変化だ。認知が進んだことで、「ユーザーから『とにかく仮想化を試したい。提案してくれ』『まず小規模で導入したい』と“指名買い”する案件が増えている」(富士通PRIMERGYグループの芝本隆政プロジェクト部長)。

 ハード構成を隠ぺいできる仮想化技術は、用途や使い方によってさまざまな利点が得られる。技術説明から始まっていた商談スタイルの様相は一変。最近では導入コンサルティングから入る案件が増えているという。

 メーカーやソフトベンダーの手応えの強さは、市場調査のデータからも分かる。調査会社のミック経済研究所が関連ベンダーなど35社への調査から推計した仮想化ソリューションの市場規模は、06年度の実績で494億円に上る。07年度は751億円、08年度は1134億円と年率40%を超える高成長が2010年ころまで続くと予測する。

まずサーバー統合で切り込む

 サーバーを仮想化する最大の利点は、サーバー1台の中に多数の「仮想サーバー」を作ることで、CPUの処理能力を無駄なく利用できる点だ。この利点を生かしたのが、多数のPCサーバーを集約するサーバー統合である。

 企業内のPCサーバーは、Webサイトから基幹業務システムまで増加の一途だ。社内に数千台規模のPCサーバーが分散している例もある。

 こうしたPCサーバーの大半は平均5%未満のCPU能力しか使っていない。安定稼働重視で、「1台に1システム」という運用ポリシーを取るユーザーが大半だからだ。

 仮想化技術を使えば、1台につき10~20台の仮想サーバーを収容でき、サーバー台数を劇的に削減できる。部門サーバーを撤廃し、管理を集中化させれば運用コストを含めた、TCO(総所有コスト)を削減できる。「現在、市場を最もけん引している商談テーマ」(ヴイエムウェアの三木泰雄社長)だ。

 仮想化が有効な場面はサーバー統合だけでない。提案しやすく、意外なほど好評なのが“Windowsレガシー”の延命策である。

 使い慣れた業務システムがWindows NTなどの旧型OSで稼働しており、延命策に頭を悩ませている企業は少なくない。サポートの切れた旧型ハードから新型サーバーに乗せ換えたくても、NTは動作の保証外だ。かといって、業務システムを最新のOSに乗せ換える作業は開発の手間がかかるし、経緯を知る技術者がいないと移行が難しい。

 こんなケースに仮想化技術は打ってつけだ。新型のサーバー上で、NTの仮想サーバーがゲストOSとして動作する。

 例えばアステラス製薬は、全社で100台近くあったNTの旧型サーバーを仮想化技術で約10台に集約。Windowsレガシーの延命とサーバー統合を一挙に実現した。



本記事は日経ソリューションビジネス2008年2月15日号に掲載した記事の一部です。図や表も一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。
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