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 顧客が発注先をなかなか決めきれず、4社コンペの先が見えない。旗色も決して良くはない。こうした状況を好転させるべく、二つの有償サービスを無料で提供することに踏み切った。

=文中敬称略


 「はい。最後のチャンスと思って気合を入れて臨みます」。NTTデータサイエンスのコンサルテーション事業部でマネージャーを務める千葉大輔は、突如舞い込んだデモの依頼にこう即答した。

 手元の時計は既に午後7時を回っている。プロトタイプを使ったデモの“実演日”は明日の午後2時。「完璧に準備するぞ」。徹夜の作業が始まった。

 千葉が抱えていた商談は、コンピュータ周辺機器を手掛けるグリーンハウスの基幹系システムの再構築プロジェクト。同社は業務ごとにバラバラなシステムを統合して業務データの二重入力をなくし、会計情報の集計期間を短縮しようとしていた。

停滞した商談を切り崩す

 NTTデータサイエンスは、SAPジャパンのERP(統合基幹業務システム)パッケージでシステムを全面刷新することを提案。千葉は2006年10月、退職した前任者から今回の商談を引き継いだ。「先方は受注先をなかなか決められないでいる。チャンスは十分ある」。前任者は、こう言い残した。

 「中堅中小の商談は、懐に入り込み親身になって相談に乗ることが一番だ」。商談攻略の作戦を練っていた千葉は、ある上司との雑談を思い出した。

 千葉は、現状の業務やシステムの姿と、新システムとの差異を無償で実施しようと考えた。フィット&ギャップ分析をタダで手掛けるということだ。

 フィット&ギャップ分析は、本来なら受注後に有償で提供するもの。受注前に無償で提供するとなれば、“捨て身”の覚悟であることが伝わるはず。上司も千葉のアイデアを承認。「本気で取ってこいよ」。励ましともプレッシャーとも受け取れる言葉で、千葉の背中を押した。



本記事は日経ソリューションビジネス2008年3月15日号に掲載した記事の一部です。図や表も一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。
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