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 NTTのNGN(次世代ネットワーク)の商用サービス開始で、SIビジネスにおける「サービス化」が一気に加速する。1ギガビット/秒という高速回線を使えば、さまざまなサービスを統合してネットワークで提供するなど、企業システムの在り方が大きく変わる。今後、ゼロからシステム構築する需要は激減するだろう。
 こうなる前にソリューションプロバイダは、新しいビジネスモデルを打ち出す必要がある。「サービス提供エリアが現行サービスと同等になる2010年度が節目」と各社は口をそろえる。今から準備しておかないと、NGNが本格普及したときに出遅れる。



 「NGNが普及すれば自分たちの仕事も変わるのではないか」─。こんな不安や危機感が、ソリューションプロバイダに徐々に広がっている。NTTを皮切りに各社が提供するNGN(次世代ネットワーク)が、ソリューションプロバイダのSIビジネスを一変させる可能性があるからだ。

 NTTが3月末から提供するNGNの特徴は、高速で安定したデータ通信と、回線認証によるセキュリティ。これらをフルに活用すれば、急速に進んでいるシステムの「サービス化」が一気に加速する。

 NGNによって企業ユーザーは、ソリューションプロバイダが構築したシステムを、ネットワーク経由で利用する可能性が高くなる。サービスやパッケージソフト、既存のシステムを組み合わせて、ソリューションプロバイダが保有・運用するようになれば、今までのようにゼロから構築する需要は激減する。ビジネスモデルさえ大きく変えざるを得ないだろう。

 こうした流れを見越し、いち早く動き始めた1社が日本ユニシス。子会社のユニアデックスと共同で、4月からNGNの活用に向けたサービス化への対応を本格化させる。  ユニアデックスの庭山宣幸企画部長は、「企業ユーザーには『システムは保有せずに使いたい』という需要がある。運用するシステムという“資産”を持つ負担は増えるが、安定収入を得られる利点がある」と見る。例えば大企業ユーザーであれば、本社がデータセンターを保有し、子会社や世界中の拠点に向けて SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)形式で提供するシステムを構築するケースも出てくるはずだ。

“本番”は2010年度

 もっとも、サービス開始の時点では法人向けサービスが出そろわないので、顧客にはNGNを導入するメリットを説明しにくい(図1、表)。限られたメニューの中では、主にテレビ会議や映像配信サービスのITインフラとして採用される可能性が高い。この時点では、まだほとんどのソリューションプロバイダのビジネスに影響はないだろう。

 帯域保証されたVPN(仮想私設網)サービスは遅れて提供される予定で、それから徐々に企業ユーザーのテスト導入が始まる。ソリューションプロバイダは顧客にテスト導入を持ちかけながら、「当面は顧客と一緒にNGNの効果的な利用法を考えていく」(富士通経営執行役の川妻庸男ネットワークサービス事業本部長)ことになりそうだ。

 提供エリアは今年10月から2009年にかけて、政令指定都市や県庁所在地に広がる。この頃から、将来の本格導入を見越したテスト利用が始まる。ユニアデックスの庭山企画部長は、「大企業が子会社や一部の拠点に限定してNGNを導入し、性能や安定性を検証してノウハウを蓄積することになる」と見る。この時期までにNGNに関心を持つ見込み顧客を発掘してテスト導入にこぎ着けておけば、全社的な本格導入案件の受注につながるはずだ。

 企業ユーザーが本格導入を検討し始めるタイミングはいつか。ソリューションプロバイダの担当者は、「サービス提供エリアが現行サービスと同等になる2010年度が節目」と口をそろえる。

 NTTは2010年度末までに、提供エリアを現行のBフレッツサービスと同程度に拡大する計画を打ち出している。この段階で、ようやく企業ユーザーの間でNGNの利用を前提にしたシステム導入が始まるはずだ。



本記事は日経ソリューションビジネス2008年3月30日号に掲載した記事の一部です。図や表も一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。
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