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 「顧客は現実解を求めている。理想論は不要だ」―。自らの直感を信じて営業活動を開始。製品ありきの提案に終始する複数の大手通信機器メーカーを押しのけ、本命に急浮上する。

=文中敬称略


 「ライバルは大手と聞いている。うちは“当て馬”かもしれない。でも勝負はまだ始まっていない。必ず本命に勝ってみせる」。顧客企業への初回訪問を前に、日商エレクトロニクスのエンタープライズ事業本部第三営業統括部第二グループリーダーである榎本瑞樹は、こう自分に言い聞かせた。2007年10月 10日のことである。

 榎本の臨んだ商談は、インターネット広告事業などを手掛けるサイバーエージェントのオフィス集約に伴う社内LANの全面刷新だ。同社は既に国内外の大手通信機器メーカーや大手SIerに声をかけ、初回面談を終えたという。日商エレは最後発だったが、榎本は引け目を感じることはなかった。

 榎本は初回訪問を終えた後、「(顧客は)細かな要件を固めているわけではない。まだ本命もいない」と確信したからだ。納期まで3カ月しかない。会社に戻ると、すぐさま提案書作りに取り掛かった。

 サイバーエージェントがLANを全面刷新する目的は、トラフィックの急増に耐える強固なネットワーク基盤を整えることだ。同社の社員数は、ここ6年間で 10倍と急増。従来のネットワークは設計が古く、局所的なトラフィックの増加で、全体の通信速度が急激に低下するという問題を抱えていた。ネットワークを一元管理する仕組みもなく、障害時の原因究明に時間がかかっていた。

 これらの課題を解決するため、同社はLAN刷新を2007年9月に検討し始めた。本社周辺に点在していたオフィスを、2008年2月に1カ所に集約すると決めたのがきっかけだ。

 サイバーエージェントのコーポレートIT室の安在亮が中心となり、ITベンダーの選定に乗り出す。2007年10月、1次コンペを実施した。



本記事は日経ソリューションビジネス2008年4月30日号に掲載した記事の一部です。図や表も一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。
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