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 買収する米EDSを加えると米HPがサービスで米IBMを抜く。両社の売上高の差は3兆円。国産3社の売上高合計は4.5%伸びたが、IBMとHPの米2社の売上高合計は10.9%増と2倍の伸び率を達成した。



 2008年のIT業界最大のイベントは「米HP(ヒューレット・パッカード)による米EDSの買収」で決まりとなろう。それほどこの買収劇の衝撃は大きかった。HPが“コモディティ市場”に引きこもらずエンタープライズ市場で、しかも米IBMが最も得意とするサービス分野で、IBMと真っ向勝負する姿勢を明確に見せた証となるからだ。

 HPによるEDS買収は、08年後半中にHPが1兆3900億円(1ドル100円換算)の現金支払いで決着する。そのため、08年度からHPの売り上げにEDSが大きく貢献することになる。それはまた、IBMや富士通、日立製作所、NECなどグローバルなIT総合ベンダーの業績を年に1度まとめている本誌調査にも少なからぬ影響を与える。売り上げそのものやセグメント情報に不連続線が出てきてしまうのだ。07年度の大手5社合計のIT事業の売り上げは 27兆9820億円で、06年度比8.9%伸張した。しかしHPがEDSを買収する結果、08年度の5社の売り上げは一挙に12.1%も増え、31兆 3580億円へ拡大する見込みだ。

 事情はセグメントの切り口でより顕著に現れる。07年度のサービスは5社のIT事業の売り上げの47.1%を占め、前年から0.2ポイント構成比を増やしていた。しかしサービス専業のEDSがHPに加わることで、08年度はサービス比率が一挙に3.3ポイント増え、50.4%と5社売り上げの過半数を超えることになる。

HPはサービスで稼ぐ

 IBMとHPのビジネスモデルは明らかに異なる。IBMは90年代にサービス化を進め、2000年に入ってからハードディスクやパソコンなど競合激しく利益が薄いコモデティ事業を売却。エンタープライズという企業マーケットに照準を定めた。成熟した同市場は高い成長は望めないが、市場寡占化によって利益が見込める。加えてIBMは、高収益が期待できるソフト事業をOSからミドルウエアに切り替え、利益の柱にした。サービスで成長し、ソフトで利益を稼ぐ戦略である。



本記事は日経ソリューションビジネス2008年6月15日号に掲載した記事の一部です。図や表も一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。
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