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 データベースソフトの国内市場で、日本オラクルとマイクロソフトの2強の競争が続いている。

 IDCジャパンによると、2006年におけるデータベースソフトの国内出荷金額シェア(メインフレーム向けも含む)は46.4%を占める日本オラクルが首位に立つ。2位はシェア16.5%の日本IBM、3位は同15.5%のマイクロソフトである。だが、メインフレーム向けを除けば2位に浮上するのはマイクロソフトだ。

 国内のデータベースソフト市場で勢いのある2社は新製品で競い合う。日本オラクルが2007年10月から出荷している「Oracle Data-base 11g」(以下、Oracle 11g)と、マイクロソフトが2008年8月1日に出荷を開始した「Microsoft SQL Server 2008」(以下、SQL Server 2008)である。

アプリ開発のコスト削減狙う

 Oracle 11gには、グリッドコンピューティングに対応したOracle 10gほどの話題性はない。しかし「400以上の新機能の大半は、日本を含め世界の顧客から集めた要望や不満を分析して追加したもの。顧客満足度は高まっている」(データベース/EM/EPM/BIビジネス推進本部の根岸徳彰担当シニアマネジャー)と語る。

 オラクルがOracle 11g向けに用意した400以上の新機能のうち、顧客に強く訴求しているのが、アプリケーションの開発や維持など、システム運用のコスト削減を意識した機能群である。

 代表的なものが、従来製品から機能を拡張した「Data Guard」。Oracle 11g Enterprise Edition(EE)に標準で搭載する。

 Data Guardは、災害対策などに向けて、データベースを遠隔地でミラーリングする機能である。Oracle 11gでは、待機系データベースへの書き込みを可能にする新機能「スナップショット スタンバイ」を追加した。

 この機能を使うと、ミラーリングしたデータベースを災害対策以外にも使うことができる。例えば、本番環境からスタンバイ環境への情報の更新を一時的に止め、OSにパッチを適用するときなどのテスト環境として使えるようになる。

 開発途中のアプリケーションのテストを支援する新機能はもう一つある。Oracle 11g EEのオプション製品「Oracle Real Application Testing(RAT)」がそうだ。

 RATを使うと、本番環境で発生するワークロード(データベースへの各種操作)をキャプチャーし、システムを変更した際などに、そのワークロードを再現したテストを実施できる。システム構成やアプリケーションを変更するたびに人手でワークロードを作成する手間が省ける。テスト環境の構築にかかわる手間を、大幅に軽減できる。

 SQL Server 2008もミラーリングの機能に対応しており、運用を工夫すれば複製したデータベースをテスト環境として活用することはできそうだ。ただしRATと同等の付加機能まではない。

地図情報と連携して分析

 SQL Server 2008は、SQL Server 2005をベースに100以上の新機能を搭載した。マイクロソフトは「大規模システム向けでも、オラクルと競える製品になった」(アプリケーションプラットフォーム製品部の斎藤泰行エグゼクティブプロダクトマネージャ)と胸を張る。

 SQL Server 2008が注力した機能の一つが分析機能の充実である。一例が、データベースで緯度/経度情報を扱える機能を新たにサポートしたこと。マイクロソフトがインターネット上で提供している地理情報サービス「Virtual Earth」と連携して、地理情報を呼び出し、2地点間の距離やある範囲の面積などを取得できる。



本記事は日経ソリューションビジネス2008年8月15日号に掲載した記事の一部です。図や表も一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。
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