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 最新の「Mac対PC」広告戦争で,Appleは,Microsoftのマーケティング戦略を皮肉った2本のコマーシャルを流して反撃に出た。

 ガールフレンドが病気であることの1つの利点は,罪悪感を感じずに週末に大学生やプロによるフットボールゲームをいくらでも観戦できることだ。Appleは,今週末に放送されるフットボールゲームのキックオフの合間に,テレビの前を離れないこうした視聴者にじっくりと見せる,2本の新しい「Mac対PC」広告を発表した。もっともどちらの広告も,NFLファン向けというより技術業界向けのように見えるが。

 Appleが2年間にわたって流してきた気の利いたMac対PC広告は,Macの売り上げアップにつながったが,これに対してMicrosoftも最近,自らの広告戦略を「見直す」大々的な広告キャンペーンを展開している。今回Appleが発表した2本の広告は,このMicrosoftの戦略をからかうものだ。1本のコマーシャルでは,John Hodgman氏がお馴染みのPC役で登場し,札束を「広告費」と「『Windows Vista』のバグの修正に費やす費用」に割り振る。どちらのほうが札束が多いか当ててみよう。

 もう1本のコマーシャルも,Windows Vistaに関するもので,人々が「Vista」の代わりに「Windows」という単語を使い始めるように,「Vista」と口にするたびにその言葉を電子音で消すブザーをHodgman氏が開発したという設定だ。Microsoftが最近,これと同種の技術の特許を取得したことを考えると,それが広告の趣旨ではないとしても,実に笑えるコマーシャルだ。

 Appleがこれらの広告を流す狙いは2つある。Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏をいらだたせることと,Windows VistaがバグだらけのOSだという事実をアピールし続けることだ。アプリケーションとドライバの互換性に関するWindows Vistaの初期の問題はすでにきちんと説明されており,こうした問題の大半は過去のものとなっているのに対して,Microsoftは,Windows Vistaについて語るよりも「Windows 7」と「Apple税」(他のPC製品と比べて割高な価格設定のMacを買うことを「Apple税を払う」と表現する)というお決まりの話題に多くの時間を費やしている。

 Appleとしては,Windows Vistaへの集中砲火を継続することで十分満足している。

 実際,Windows Vistaにはマイナスイメージがつきまとっており,Microsoft自身もその事実を認めて,Windows Vistaのイメージ回復プロジェクトである「Mojave Experiment」を展開せざるをえなくなった。その原因が,Appleにあるのか企業のIT部門にあるのかは,問題ではない。Appleは,発売当初にWindows Vistaが消費者に敬遠された点をとらえ,これを執拗に突いてきている。一方,Microsoftは2年間ただ手をこまねいて座視し,「Windows Vistaはそれほど悪くない」「われわれは不当な固定観念を持たれてきた」「Windows 7を待つのもよい」といった一貫性のない発言を繰り返してきた。

 だが,ネガティブ広告は,米大統領選挙が行われる年には効果的だが,次第に新鮮味がなくなる。それにこうした広告は,大半の消費者が気にもかけていない「われわれ対彼ら」という,ひどく時代遅れのオタク的思考にとらわれている。ほとんどの米国人は,AppleとMicrosoftがそうであってほしいと思っているほど,人がどこのパソコンを使っているかなど気にしない。

 今回の新しい広告を見て,大方の視聴者はくすりと笑うだろうし,Hodgman氏とJustin Long氏という粋なお笑いコンビから,MicrosoftのCMに出演したBill Gates氏とコメディアンのJerry Seinfeld氏が1,2学べることはあるだろう。だが,Appleが新しいOSの投入でへまをするようなことが起こらないように祈る。なにしろ,Appleのおかげで,Microsoftはそういう事態への対処法はしっかり学んだのだから。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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