PR

まずはマンガで知ってみよう…

こっちはウソなし…
まなめのやさしい用語解説!!

 クラウド(cloud)とは,日本語で「雲」のこと。上のマンガではだいぶ“雲行き”が怪しいようですが,IT用語のクラウドは“雲隠れ”という意味が近いです。

 IT用語としてのクラウドをきちんと理解するには,インターネットとサーバーの進化をまず理解する必要があります。

 この10年,インターネットはずいぶんと高速に通信できるようになり,その価格も下がりました。同時にサーバーの高性能化や小型化,省電力化が同時に進みました。これらのおかげで,数多くのサーバー群を同じ場所に集めてネットワークを介して利用する「データセンター」のメリットがどんどん大きくなりました。ついには,データセンターがどこにあるかに依存するネットワークの帯域や,サーバーそのものの処理能力などの性能上の問題を,あまり気にしなくてもよい場合が増えてきました。

 ここで登場したのが「クラウド」という概念です。ソフトウエアを提供する企業が,プログラムやデータをデータセンターに集中させ,それをインターネットを介して提供します。ソフトウエアを利用するユーザーから見ると,インターネットの向こう側にあるデータやソフトウエアの所在を意識することなく,「クラウド(雲)」の中に隠れたまま,必要なサービスだけを利用できます。このように,クラウド越しにサービスなどを提供することを「クラウド・コンピューティング」といいます。ネットワークのことを絵で表現するときに,雲で表すことが多いことから,クラウドと呼ぶようになったのですね。

クラウド(雲)とはインターネットのこと!
サービスなどをクラウド越しに提供することを
クラウド・コンピューティングと言います!!

SaaS, PaaS, IaaSの3種類

 クラウド・コンピューティングは,おおむね,(1)SaaS,(2)PaaS,(3)IaaS---の3種類に分類できます。順番に見てみましょう

 (1)のSaaSは,Software as a Serviceの略で,インターネット経由のソフトウエア・パッケージの提供のことを意味します。例えば,GmailやYahoo!メール,Hotmailなどの電子メール・サービスがこれにあたります。オンライン・ゲームや,グループウエア,企業情報システムなどもSaaSとして提供されています。

 (2)のPaaSは,Platform as a Serviceの略で,インターネット経由でアプリケーションを開発/運用するためのプラットフォームを提供するものです。例えばGoogleのアプリケーション実行環境の「Google App Engine」や,エンタープライズ向けのカスタム・アプリケーション実行環境の「Force.com」などがこれにあたります。

 (3)のIaaSは,Infrastructure as a Serviceの略で,インターネット経由のハードウエアやインフラの提供のことです。例えば,Amazon.comのコンピュート・クラウド「Amazon EC2」や,インターネット・ストレージの「Amazon S3」などがあります。ユーザーは,自分が利用したいぶんだけのハードウエア資源を導入,利用できます。

メリットはコスト削減とスケーラビリティ

 クラウド・コンピューティングの利点は,とくに初期投資の部分にあります。自社でデータセンターを建設したり,サーバーを購入,設置したりする必要がないため,イニシャル・コストを大幅に削減できます。利用開始後の料金も,利用したぶんだけ料金を払う従量料金制が一般的です。サーバーやデータセンターの運用作業も必要ありません。

 もう一つの利点は,リソースの追加を考慮する必要性が下がることです。自社でサーバーを導入,運用する場合,システムの負荷がピークにあるときの性能にあわせて,サーバーのスペックや台数などを用意する必要があります。クラウド・コンピューティングでは,比較的簡単に,利用するネットワーク帯域やサーバー台数を増減できます。

課題はセキュリティなど

 そうはいっても,いいことばかりともいえません。クラウド・コンピューティングでは,どうしてもサービスの提供者が決める仕様に従う必要があります。この仕様の制限で,自由な拡張が難しい場合があります。また,クラウド・サービスの提供者側で障害が発生した場合,これもいつ復旧できるかはクラウド・サービスの提供者次第です。

 さらに,ユーザーのデータをクラウド提供者に預けてしまうことや,通信路にインターネットを利用することによるセキュリティ上の問題もあります。技術や仕組みで解決できる問題もありますが,自社でサーバーを用意する場合とは違う考え方が必要といえるでしょう。

 クラウドの中にすべての情報を預けてしまうことを不安に思う人は少なくないようです。でも,持たざるを得ない場合を除くと,持つ利点より持たない利点のほうが上回ることが多いもの。サービスを提供したら人気が出てアクセスが集まってきたのに,自社サーバーで構築したサービスが,予想以上の人気に耐えるだけのリソースを調達できずに遅いサービスに……これでは曇り顔ですよね。ぜひクラウドで,曇った表情を晴れやかに!

本日のまとめ

今日のまとめ

 

きたみりゅうじ
きたみりゅうじ もとプログラマで,現フリーのライター兼イラストレーター兼まんが家…とかいう,よくわからない肩書きにて世の中を徘徊中。最新作は『[改訂3版] 図解でよくわかる ネットワークの重要用語解説』(技術評論社),『新卒はツラいよ!』(幻冬舎)など。http://www.kitajirushi.jp/
まなめ
まなめ ニュースサイト「まなめはうす」の管理人。話題のニュースを紹介したり,ブログを書いたり,Twitterでつぶやいたりと,まるでネットの住人。しかし,本業はシステムエンジニア。コボラーでもある。最近ASCII.jpで新連載「まなめの『週刊Twitterなう!』」を始めた。
http://homepage1.nifty.com/maname/