海外企業の買収、カンパニー制の導入、子会社の再編、倍速開発の推進。NTTデータは矢継ぎ早に改革を進め、名実ともに“世界基準”の企業を目指す。当面の目標はIT会社として世界トップ5に入ることだ。国内SIerにとって未踏の領域に乗り込むことになる。日本のSIerは世界に通用するのか。 NTTデータの挑戦が始まった。
2012年度までの中期経営計画で連結売上高の目標を1兆5000億円の達成に定めた。現在の約1兆円から4年間で50%成長させ、世界トップ5のIT企業入りを目指す。NTTデータは世界基準のソリューションプロバイダ入りを、いわば公約として掲げる。
調査会社の米ガートナーの調査によれば、2008年12月の時点でNTTデータの売上高は全世界のIT企業で12位。目標を達成してもまだトップ5には入らないが、「1兆5000億円は最低ライン。少なくとも同じ土俵には上る」と山下徹社長は世界への挑戦を本気で宣言する。
日本のSIerが世界で成功した例は皆無に近い。無謀とも思える目標に向け、不況下でもNTTデータは増収を続ける。10月29日に発表した中間決算では、売上高は前年同期比3.8%増の5328億2700万円だった。
営業利益は同25.1%減の334億7600万円だったものの、「金融分野の大型案件を受注したので、通期予想よりも営業利益が上ぶれする可能性もある。中期経営計画の進捗度合いも順調だ」と山下社長は強気だ。
規模だけではない。質の面でも世界にふさわしい企業を目指す。企業の収益力を示す営業利益率について、「目標に掲げてはいないが、世界企業になるためには10%程度に達する必要がある」(山下社長)。
本記事は日経ソリューションビジネス2009年11月15日号に掲載した記事の一部です。図や表も一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。
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