業務アプリケーションの実行環境として使われる「Webアプリケーションサーバー」の市場はここ数年、成長を続けてきた。しかし2008年の世界同時不況以降、企業が開発案件を抑制し始めたことから、市場の様相は一変した。製品ベンダーは、処理性能の低下を防ぐ改善を進めるなどして、市場シェアの向上を目指す。
「2009年、Webアプリケーションサーバーの市場は景気低迷の影響をもろに受けそうだ」。調査会社のテクノ・システム・リサーチの浅沼邦明アシスタントディレクターはこう語る。
テクノ・システム・リサーチの調査によると、2006年から2008年まで、Webアプリケーションサーバーの市場は、成長を続けてきた。特に伸びたのは、2006年から2007年にかけてで、市場成長率は5.7%だった。しかし、2008年の市場成長率は3.0%と鈍化した。「2007年は、好景気を背景に金融機関で開発案件が急増し、市場が拡大した。2008年は、世界同時不況後、10月からの3カ月間の落ち込みが響いた」と浅沼アシスタントディレクターは分析する。
製品の市場シェアはこれまで変動はなかった。首位はWebSphere Application Server。2位以降にInterstage Application Server、WebLogic Server、uCosminexus Application Serverが続く。ただし2008年、WebLogic Serverのベンダー、日本BEAシステムズが、日本オラクルと統合したため、「2009年はWebLogic Serverが2位に浮上する可能性が高い」と浅沼アシスタントディレクターは予測する。
本記事は日経ソリューションビジネス2009年11月15日号に掲載した記事の一部です。図や表も一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。
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