ベンチャー企業のブランドダイアログ(東京都中央区)が開発した「GRIDY(グリッディ)」は、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)型のグループウエアだ。中堅・中小企業向けにWeb経由で無料で提供している。
「今年2月にGRIDYを発売したが、10月末時点で顧客数は4300社に達した。初期費用や月額費用が無料だから、ITコストを下げたい企業が採用している」。稲葉雄一代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)は、こう語る。
GRIDYは、スケジュール管理や電子メールといった機能を備えるグループウエアだ。Webサイトにアクセスし、専用クライアントソフトをダウンロードするだけで使える。5月には、携帯電話やスマートフォンからも利用できるようにした。
顧客の遊休能力を活用
Web経由の無料サービスは少なくないが、バナー広告などで収入を確保するのがほとんど。これに対してブランドダイアログは、独自のグリッド技術を利用したビジネスモデルを推進している。
グリッド技術とは、パソコンやサーバー、ストレージなど複数のハードを束ねるもの。数百~数千台のパソコンを使えば高速処理が可能になる。
ブランドダイアログのビジネスモデルはこうだ。
顧客に無料でGRIDYを提供する代わりに、顧客のパソコンのCPUやハードディスクの能力を借りる。顧客のパソコンはいつもフル稼働しているわけではないので、余った分だけをグリッド技術で束ね、企業や研究機関に有料で貸し出す。最終的な事業目標はいわばプラットフォームビジネスで、来年にも乗り出す。GRIDYも同プラットフォーム上で稼働している。
本記事は日経ソリューションビジネス2009年11月30日号に掲載した記事の一部です。図や表も一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。
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