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Q2 BSCで作成した戦略マップが活用されない

 私が所属する経営企画室では各事業部に対して中期目標となる売上高や利益高を提案し、各事業部ではその対策作りに際して、BSC(Balanced Score Card、バランススコアカード)の戦略マップを定義し、四つの視点の戦略目標とKPI(Key Performance Indicator、業績評価指標)をもとに事業計画を作成しています。

 しかし、BSCの戦略マップで作成した戦略目標やKPIが有効に活用されていないようです。現場からは「事業目標を達成できる対策になっていない」「KPIの目標値が運用の実態にそぐわない」などの声があります。BSCに対する一般的な研修は現場の担当者に実施し、その後は現場で工夫するように伝えているのですが、うまく活用されていないということは何か間違えているようです。現場で理解され、現場で活用される戦略マップを作成するにはどうしたらよいかについて、指導をお願いします。

A2 「作成した戦略マップが信頼されていない」などが原因です。

 ご質問を整理しますと「作成した戦略マップが信頼されていない」「戦略目標のKPIが実用的でない」の2点について課題があるようです。BSC分析で戦略マップを作成する意味は、SWOT分析で策定された事業ドメイン(領域)における投資対効果を検討し、具体的な事業ビジョンを確定する前の重要な検証ステップです。

 そのため、「財務の視点」「顧客の視点」「内部業務プロセスの視点」「学習と成長の視点」という四つの視点の戦略目標は、投資対効果を見極められるように設定する必要があります。投資対効果を見極めた戦略目標は、ヒト、モノ、カネ、情報といった経営資源をイメージできるものでなければなりませんし、戦略マップは投資対効果が見えるストーリーとなることが必要になります。また、戦略目標の精度を上げるにはKPIの体系作りが相互補完の役割を果たします。ここでは以下の2点を説明することでご質問の回答をしようと思います。

(1)投資対効果の見える戦略マップのストーリー作り
(2)戦略目標のKPIを体系化で検証する

(1)投資対効果のみえる戦略マップのストーリー作り

 戦略マップはかなり高い自由度で作成することができますが、その一方で、一定のルールに基づいて作成しないと、ストーリー性がなく活用できない戦略マップになります。戦略マップのストーリー作りに際しての留意点は以下のようになります。

<ステップ1:戦略マップを作成するための事前終了作業の確認>

 SWOT分析で策定した事業ドメインでは、CSFに基づいて事業目的および目標が定義されています。さらに、対象顧客(あるいは市場)、顧客(市場)ニーズ、サービスや商品が設定され、必要となる能力(現在のコアコンピタンス、新たに必要なコアコンピタンス)が定義されます。この定義が戦略マップ作成を始めるための基礎情報になります。