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Q2 IT経営実現に向けたシステム構築プロジェクトの責任が曖昧なまま進められ、開発・実装工程がうまく行かなくなる

 従業員数200人ほどの製造業の経営企画部門で、IT経営実現に向けた全社統合情報システムの構築を検討しています。各部門が個々に構築した業務システムを廃棄して、全部門が共通に利用する全社統合情報システムを新規に構築する計画です。生産管理、販売管理、会計管理などの機能を統合して同じ情報を共有する「一気通貫」のシステムにすることにより、全社業務の効率化・省力化を進め、蓄積した情報を全社的に共有・活用する仕組みを作ることが目的です。プロジェクトは、検討から稼働まで1年前後の長丁場となります。

 しかし、プロジェクト統括責任者のCIO(社長/役員)やプロジェクトマネジャーおよびリーダー全員に、このような全社的で長期間のプロジェクトに対するマネジメント経験があまりありません。プロジェクトメンバーも15人超になります。全体を統括して円滑かつ確実に全社情報システムを構築するには、どのようなアプローチがよいでしょうか。このままでは、プロジェクトの責任が曖昧なまま進められ、開発・実装工程がうまく行かなくなる恐れがあると感じています。

A2 PDCAサイクルを基に拡張WBSを活用してモニタリング&コントロールを繰り返す

 IT経営実現に向けた全社統合情報システム構築プロジェクトでは、幅広い部門の業務を改革するとともにプロジェクトが長期間にわたるため、プロジェクトマネジメントが非常に重要になります。プロジェクトメンバー全員が分かりやすく納得できるマネジメント手法を採用して、効率的・効果的にプロジェクトを進めるようにしてください。ここでは筆者が中小企業製造業における全社統合情報システム構築プロジェクトマネジメントの支援で実践している例を基にプロジェクトマネジメントを効率よく行う方法を解説しましょう。

 製造業に限らず、各部門が個々に築いた業務のやり方は、全体最適になっていないことが普通です。プロジェクトでは、全社統合情報システムの導入を通じて幅広い部門の業務を全体最適へ向けて変革しながら、経営陣から現場実務者までに対して業務に対する発想や意識の転換を導いていく必要があります。経営や業務のプロセスが従来に比べて大きく変化することに対して、プロジェクト関係者は徹底した対話・調整を行って、意思決定や合意形成に至るようにするため、予想以上に時間がかかります。

 プロジェクトマネジャーやリーダーがプロジェクトマネジメントで不慣れなことも多いと思われます。プロジェクトメンバー全員がプロジェクトマネジメントに対する強い意識を持たないと、計画策定・意思決定・進捗管理に問題が発生して、プロジェクトが堂々巡りになってしまうことが多々あります。