NC特集2
目次
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グーグルが拓く「オフラインWeb」
米グーグルが2、6、8月と立て続けに「Gears」の機能を拡張した。Gearsは、Webアプリケーションをオフラインで使うためのブラウザ用プラグイン。オンラインが前提のWebアプリでオフラインとは矛盾するようだが、9月2日に発表したChromeも標準搭載し、注目を集めている。FirefoxやSafa…
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「デジタル屋台」が工場を変える
ITと生産技術の融合で逆風を跳ね返す
「ドライバって何ですか?」。初歩的な質問をしていた新人作業者が、1週間後にはベテラン並みの速さと品質で製品を組み立てる――。にわかに信じ難いことが、ものづくりの現場で起きている。この秘密は、ITと生産設備を融合した「デジタル屋台」と呼ぶシステムにある。人材育成やカイゼン支援、生産効率の向上など、次…
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会社の危機を救え!
ITでリスクをチャンスに変える
粉飾決算、大型リコール、市場環境の急変――。経営危機を招くリスクは増え続ける一方だ。危機につながるリスクに適切に対応し、成長へのチャンスにつながるリスクを確実に生かすために、全社横断的なリスクマネジメントの仕組み作りが緊急課題となっている。それには情報システムの活用が効果的だ。出光興産、双日、ユニ・…
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Webからの情報漏洩 あなたならどうする?
直面企業が陥った“90日間戦争”
「Webサイトから個人情報が漏れているようだ。至急調査してほしい」。クレジットカード会社に指摘を受けたその日から、音響機器販売サイトを運営するサウンドハウス中島尚彦社長の戦いが始まった。思わぬカード会社との攻防、殺到する厳しいクレーム。6月、あるカード会社から加盟店契約打ち切りの通知が届く。中島社長…
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無料オフィスソフトの損得
ブラウザやメールソフトに続いて、オフィスソフトにも無料化の波が押し寄せてきた。住友電気工業やNTTコムウェアといった大手企業から無料オフィスソフトの採用報告が相次ぐ。市場で圧倒的なシェアを持つマイクロソフト製品との互換性は十分に保たれているのか。障害時の対応に支障はないか。無料オフィスソフトの実力を…
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仮想デスクトップ、シンクライアントの本流へ
「製品」「事例」が続々
仮想デスクトップがシンクライアントの本流に躍り出た。仮想化市場で先行する米ヴイエムウェアに続いて、米シトリックス・システムズがついに仮想デスクトップ製品「Citrix XenDesktop」を発表。サーバーで一括管理する機能を武器に、従来のパソコンからの移行を促す。ユーザーの選択肢が増えた今、そのメ…
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御社の発注、3つの大問題
ITベンダーの現場担当者が指摘する
ユーザー企業には「発注者責任」がある。ところが最近、この責任が希薄なばかりに、外注したシステム開発が頓挫したり、ITベンダーとのトラブルにつながったりするケースが増えている。今回、匿名を条件にITベンダーから「こんな発注は勘弁してほしい」との本音を聞いた。プロジェクトを成功させるために、ITベンダー…
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IT大手6社「サービス部門」の実力を初分析
SI偏重の“短期志向”から脱皮できるか
日本のITサービス大手6社の売り上げを5つのサブセグメントに分け、横並びで比較した。その結果、大手といえどもSI中心の「日暮らし」模様が明らかに。米IBMと長期ベースの“サービス構造”格差は13ポイントもある。新生「HP/EDS」の照準はアウトソーシング。顧客の信頼を長く勝ち取るストックベース・サー…
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ウォルマート ICタグ導入に最後の賭け
「要請」から「強制」へ、失敗したら撤退か
ICタグを主導してきた米ウォルマート・ストアーズが最後の賭けに出た。約600店を展開する会員制店舗において全商品へのICタグ張り付けを義務化し、対応しないと“罰金”を課すと宣言したのだ。納入業者の反発は必至である。納得できる成果が上がらなければ、不満が爆発しかねない。張り付け対象が増えてICタグの…
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仮想化で得するソフト・ライセンス
10社の製品で損得を検証
サーバー統合の切り札として注目を集める仮想化。「ソフトウエアのライセンス・コストを削減できる」と期待を寄せるユーザーは少なくない。だが、仮想化によりライセンス・コストが常に下がるわけではない。ライセンスを読み解き、サーバー構成を工夫することが“得する”秘訣だ。(森山 徹)
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SI契約に変革迫る「進行基準」
IT業界に激震走る!
「この案件、辞退させていただきます」。2009年4月、ITベンダーからこう切り出されるユーザー企業が続出しそうだ。システム・インテグレーション(SI)の会計処理方法が「工事進行基準」になるからだ。システム開発現場への影響は大きく、ユーザー企業の開発プロジェクトを変える。(島田 優子)
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「新人時代はこれを読め!」
経験豊富な先達が直言
この4月、新人がやってくる部門は多いことだろう。その新人に「書籍を読む“癖”を付けるべき」と薦める識者は多い。本誌コラムでもおなじみの有賀貞一CSKホールディングス代表取締役は新人に対して、「重ねて自分の身長に並ぶくらい、1年間で本を読め」と指導している。IT分野だけではない。社会人として読むべき…
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三菱東京UFJ銀行の勘定系統合「Day2」の内情
切り替え直前、緊急検証
開発工数11万人月、投資額2500億円に及ぶ史上最大のプロジェクトが、いよいよ5月から切り替えを迎える。三菱東京UFJ銀行の勘定系システム統合「Day2」だ。開発費が3年前の試算の2.8倍に膨らんだことから、遅れや品質の低下を危惧する声があるが、実態はどうなのか。トラブル対策は十分か。三菱東京UFJ…
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仮想化は甘くない
高負荷は苦手、障害対応も自己責任
仮想化ソフトが脚光を浴びている。複数のIAサーバーを1台に統合すれば機器や運用管理の費用を抑えられると、ユーザー企業は期待する。だが、現実は甘くない。安易に導入するとかえってコスト高になるケースもあるし、障害発生時の対応はユーザーの自己責任になる。仮想化ソフトの現実を冷静に分析した。
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「eワークスタイル」導入進む
ホワイトカラーの生産性を上げる切り札に
自宅や社外でも、オフィスと同じ環境で仕事ができる――。こうしたネットワーク環境を導入し、ワークスタイルの変革に取り組む企業が増え始めた。松下電器産業や日立製作所、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどが、数千~数万人の規模で取り組んでいる。こうした環境を作ることは技術的には難しくない。ただし、1990年…
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クローズアップ:SOAシフトが加速するERPパッケージ
「業務ありき」で他社製品も連携SAP、オラクルがツール群投入
「既存のERP(統合基幹業務システム)パッケージは、自社の業務プロセスを十分に支援する機能がない」。こうしたユーザー企業の悩みを解決する製品をSAPジャパンと日本オラクルが提供する。SOA(サービス指向アーキテクチャ)に基づき、既存製品や自社開発のシステムを柔軟に連携できる環境の提供を目指す。
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製品選択の決め手:中堅企業向けERPパッケージ
内部統制整備支援は必須導入支援と展開の拡大がカギ
中堅企業向けのERP(統合基幹業務システム)パッケージは約30製品ある。一口に「ERP」といっても、備える機能も、利用可能な言語も全く異なる。内部統制の強化など、企業を取り巻く環境も変わり、製品を選ぶ基準も変化してきた。内部統制、導入支援、導入後の展開の3つの観点から08年版の選択の決め手を探る。
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企業利用の裾野広がるスーパーコンピュータ
PCクラスタ型を中心に、製造・建設に加え金融も
スーパーコンピュータを活用する企業が急速に増えている。世界で稼働するスパコンの性能を集計しているTOP500では、6割が一般企業となった。グローバル競争が熾烈になったことと、PCクラスタ型を中心にスパコンの性能当たりの価格が大幅に下がったことが理由だ。
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プロジェクト完遂の軌跡:丸善
一度失敗したSFA導入に再挑戦風土改革を並行して営業力強化
書籍販売老舗の丸善は2007年12月、大学市場事業の営業担当者を対象にしてのSFA(営業支援)システムを構築した。5年前に一度失敗したSFAシステムの導入だが、今回は入力業務を極力減らすために、マイクロソフトのパッケージ・ソフトをベースに構築。ただし、そのソフトは国内で実績のない初物パッケージだった…
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3万人調査で分かったITエンジニアの実態
スキルに比例する「お金」と「やりがい」
システム開発の上流と下流、およびスキルレベルによって、給与や労働環境、働く意欲の格差が大きい――。ITエンジニア3万人から得た調査データからこんな結果が浮き彫りになった。赤字プロジェクトや納期に無理があるプロジェクトが、やりがいをそぐことも分かった。