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公衆無線LANサービスと、無線IP電話、モバイル業務システムを1つのインフラで実現する──。大阪・南港の高級ホテル、ハイアット・リージェンシー・オーサカは、大規模な無線LANシステム構築プロジェクトに取り組んだ。ほとんど国内で実績のないハードを使う必要があったため、機器のバグなどさまざまなトラブルに見舞われた。

(本間 純)


【無料】サンプル版を差し上げます本記事は日経コンピュータ2005年9月5日号からの抜粋です。そのため図や表が一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。本「追跡! 注目プロジェクト」の全文をお読みいただける【無料】サンプル版を差し上げます。お申込みはこちらでお受けしています。なお本号のご購入はバックナンバーをご利用ください。

 「最近、国際的な無線LAN普及団体による大型コンベンション開催が内定した。苦労が報われた感じだ」──。

 今年6月までハイアット・リージェンシー・オーサカの総支配人を務めた横山健一郎氏は満足そうに語る。横山氏が中心となって構築した同ホテルの無線LANシステムは、コンベンションの受注に威力を発揮しており、商談の数は昨年よりも着実に増えているという。横山氏は現在、京都で来春開業予定のハイアット・ホテルの立ち上げ準備に追われている。

 ハイアット・リージェンシー・オーサカが構築した無線LANシステムは、無線でデータを送受信するアクセス・ポイントと呼ばれる機器を149台設置し、地上28階、地下2階の建物全体をくまなくカバーする。ロビー付近はもちろん、500の客室と19の大小宴会場、11のレストランとバー、駐車場で、だれでも自由に無線LANを使うことができる。今年4月までの約15カ月をかけて構築した。

図1●無線LANを集客と業務の効率化に生かす。3つの用途で無線LANインフラを活用する珍しいシステムとなった
 同ホテルは、この無線LANインフラを、公衆無線LANサービスだけでなく、従業員向けの無線IP電話、年内に稼働する携帯情報端末(PDA)を使ったモバイル業務システムに活用していく(図1[拡大表示])。

コンベンション誘致の切り札に

 客室を含む全館の無線LANシステム構築に同ホテルが踏み切ったきっかけは、コンベンションの誘致である。

 同ホテルは大阪駅から車で25分離れた港湾地帯にあり、1994年の開業以来周辺の開発が進まず、低調な宿泊需要に悩んできた。2000年夏、総支配人として赴任した横山氏は、これを補う収益源として、大型展示会場「インテックス大阪」に隣接する条件を生かした、コンベンションの獲得を打ち出した。

 だが、ダイヤルアップでしかインターネット接続できないという、当時の貧弱な通信インフラが足かせとなった。近年は、宴会場や客室でのブロードバンド接続を必須条件とするコンベンション主催者が増えており、同ホテルは決定的に不利な条件を抱えていた。

 問題解決のため、一時は構内電話網やホテル内のテレビの同軸ケーブルをブロードバンド回線として転用することを検討していたが、2003年12月に事態が急展開する。同ホテルを含む大阪・南港地区一帯に公衆無線LANを構築する「DigitalCity OSAKA」計画を、大阪市と野村総合研究所(NRI)、インテル日本法人がスタートさせたのである。


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