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「何度聞いても仕組みや利点を理解できない」、「オブジェクト指向やWebサービスと何が違うのか?」―SOA(サービス指向アーキテクチャ)に対して、こうした声が一向になくならない。しかし、企業情報システムを担う担当者やCIO(最高情報責任者)にとって、SOAを正しく理解することは必須になりつつある。SOAの必然性や本質を分かりやすく解き明かす。

(矢口 竜太郎、田中 淳)

SOAを完全に理解する
第一歩はプロセスの可視化
社内システムを統合した米MCI


【無料】サンプル版を差し上げます本記事は日経コンピュータ2月6日号からの抜粋です。そのため図や表が一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。本「特集」の全文をお読みいただける【無料】サンプル版を差し上げます。お申込みはこちらでお受けしています。なお本号のご購入はバックナンバーをご利用ください。

 「何度聞いても仕組みや利点を理解できない」、「オブジェクト指向やWebサービスと何が違うのか?」、「結局のところ、ベンダーの宣伝文句にしか思えない」――今後の情報システムの方向性を決定づけるとされる「SOA(サービス指向アーキテクチャ)」に対して、こうした声が一向になくならない。解説書が多数出版され、セミナーも花盛りなのに、だ。

 それも無理はない。SOAの説明としてよくあるのは、「既存のシステム資産を『サービス』の単位で連携させることで、企業の変化に対応できるシステムを実現するための技術体系」といったものである。

 だが、こう説明されても「既存のシステム資産とは何のことか。“スパゲティ化”したレガシー・アプリケーションも含まれるのか」、「サービスとはいったい何? アプリケーションか、それとも誰かが提供する行為のことか」、「“単位”や“連携”の定義がよく分からない。Webサービスの連携のようだが、例えばトランザクション処理は確実に実行できるのか」、など、新たな疑問が次々にわいてしまう。

 “企業の変化に対応できるシステム”にしても、分散オブジェクト技術やERPパッケージ(統合業務パッケージ)で言われてきたこと。つまり説明自体が、疑問の連鎖を生み出してしまうわけだ。

 しかしSOAを理解できないまま、放置しておいていいのだろうか。答えは明らかにノーだ。ビジネス環境や顧客のニーズの変化に応じて、即座にシステムを刷新・変更できるようにするための、現時点でほぼ唯一の解がSOAだからである。

 事実、いち早くその重要性を理解した日米の先進ユーザー企業は、SOAへの移行に向けて歩みを早めている。

 一例が企業合併や事業売却、矢継ぎ早の新サービス投入など、非常に動きの激しい通信業界。大手の米MCI(現在はベライゾン・ビジネス)は、SOAに基づくシステム改変・刷新を進めてきた。たび重なる合併により重複したシステムを統合すると同時に、目まぐるしく変わる事業内容にシステムを即応できるようにし、ビジネスの機動性を高めるのが狙いだ。すでに新サービスの企画から提供までの期間を大幅に短縮する効果を生み出した。

 日本でも住友信託銀行やオリンパス、NTTコミュニケーションズ、損害保険ジャパン、三井倉庫などがSOAへの移行に向けた準備に着手している。カシオ計算機や出光興産も、SOAに基づくシステム刷新の検討を始めた。企業情報システムを担う担当者やCIO(最高情報責任者)、ITベンダーの事業責任者にとって、SOAを正しく理解することは必須になりつつあるといえる。

 そこで本特集では通常の本誌とは趣を変え、SOAの必然性や本質を徹底して分かりやすく解き明かすことを試みた。同時に、SOAへの移行に向け、第一歩を踏み出したユーザー事例も掲載する。これらを通じてSOAの全貌が浮かび上がるはずだ。


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