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データセンター事業者、システム・インテグレータ、通信事業者が、首都圏にあるデータセンターの増床計画を相次ぎ打ち出している。本誌が調べたところ、今年から来年にかけて東京23区内だけで3万m2弱、近郊を含めると5万~6万m2は増える見込みだ。


本記事は日経コンピュータ 10月2日号に掲載予定のレポートより、本文のみを抜き出したものです。そのため図や表が割愛されていることをご了承ください。

 「昨年4月、東京都渋谷区に新設した2000m2のデータセンターは予想以上のペースで埋まっている。2008年までもちそうもない」。大手システム・インテグレータである伊藤忠テクノソリューションズの赤井央一データセンター・アーキテクトは、こう語る。

 同社だけではない。他のインテグレータ、通信事業者、データセンター専業各社は、「昨年から需要が急増し、都内にあるデータセンターの使用率は8~9割に達している。東京近郊も似たような状態だ」と口をそろえる。もちろん、各社とも手をこまぬいているわけではない。相次ぎ、増床計画を打ち出している(表)。

 NTT東日本は来年4月までに、東京都豊島区にある局舎に約5000m2のデータセンターを新設する。場所は、電話交換機を小型化したり、オフィスとして使っていたフロアを空けて作る。「新たなビルを取得するのは大変だし、何より局舎は耐震性が優れるなどデータセンター向き」(ビジネスユーザ事業推進本部の近藤俊一担当部長)という。「都内の他の局舎でも同様なことができないかを検討中」(同)だ。

 データセンター専業大手のビットアイルは今年8月、東京都品川区に4900
m2の第2センターを新設。さらに11月には、同区で3500m2の第3センターのサービスを開始する。面積を公表していないために表に掲げていないが、伊藤忠テクノソリューションズやソフトバンクIDCも2008年までには都内で新設すべく、物件を探している。

 都内では大幅な増床が難しいため、神奈川県や埼玉・千葉県で増床する企業も多い。野村総合研究所(NRI)は124億円をかけ、横浜市に1万6000m2のデータセンターを新設。来年9月にオープンする予定だ。大手町のデータセンターが「完売状態」(ITマネジメントサービス事業部アウトソーシングプラットフォーム部の荒井宏幸DCプラットフォーム部門長)にあるNTTコミュニケーションズは、08年をめどに首都圏で1万m2強の増床を検討中。いずれも、現在の首都圏の延べ面積が1割強増えるという大規模増床となる。

 データセンターの需要が急増しているのは、オンライン証券や音楽配信、EC(電子商取引)といったインターネットを使った業務が拡大しているほか、「ユーザー企業が事業継続の観点などから、戦略的に運用をアウトソーシングし始めた」(NRI システムマネジメント事業本部の山形高治 副本部長)から。富士通 サービスビジネス本部の伊井哲也部長は、「インテグレーションで都内のデータセンターを指定する案件が増えている。自社スペースでは最適な場所が手当てできず、他社のデータセンターを利用するケースもある」と告白する。今後、システム構築ではデータセンターの確保が重要なポイントの一つになりそうだ。

(安藤 正芳)