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NEC、日立製作所、日本オラクルが相次いで、NGN(次世代ネットワーク)をにらんだミドルウエア製品の戦略を明らかにした。業務アプリケーションをASP形式で提供するキャリアなどに向け、サービス提供基盤を構成する製品群をそれぞれ体系化している。


本記事は日経コンピュータ 10月16日号に掲載予定のレポートより、本文のみを抜き出したものです。そのため図や表が割愛されていることをご了承ください。

 3社が打ち出したのは、NGNのサービス提供基盤「SDP(サービス・デリバリ・プラットフォーム)」を巡る商戦に向けた製品戦略である。サービス品質(QoS)とセキュリティを確保した広帯域のIPネットワーク「NGN」を使い、企業の業務アプリケーションなどをASP形式で提供するのに必要なシステム製品群が対象だ(図)。Webアプリケーション・サーバー製品を中核に、可用性を高めるミドルウエアや、映像配信アプリケーションなどを体系立てて提供する。アプリケーション間の連携やサービス内容に応じて通信機器を制御するシステム、顧客情報管理システムなどが含まれる。

 売り込み先は、NTTグループやKDDIなどの通信キャリアはもちろん、ISP/ASP事業者なども対象になる。「早ければ2007年後半にはNGNを利用したサービス提供が始まる。そこに向けたニーズを捉えたい」(NECの国嶋矩彦執行役員常務)。

 NECは9月27日、セッションの開始・終了・変更などの制御、利用者間で互いに位置・状況に関する情報を共有するプレゼンス管理、音声・映像コンテンツの蓄積・変換・配信といった、NGNで共通利用可能なコンポーネントをまとめたミドルウエア「NC7000シリーズ」を投入。Webアプリケーション・サーバー「WebOTX」を中心にミドルウエア製品を体系立てた。「WebOTX自体も今後、可用性向上やSOAに基づくシステム構築のための機能拡張を予定している」(粉川英夫執行役員)。

 日立は、Webアプリケーション・サーバー「Cosminexus」と、セッション管理機能やプレゼンス情報管理のためのミドルウエア「PROGNET」を組み合わせる。さらに、リアルタイム・トランザクション制御ソフトを米カビラ・テクノロジーズ社と共同開発した。

 日本オラクルは買収企業のミドルウエアをNGNに向けに体系化、「Oracle Service Delivery Platform(SDP)」と銘打った。Oracle Application Server 10gを中心に、旧シーベルのCRMソフトや、通信業界向け課金・収益管理ソフト「PORTAL」、オンメモリー・データベースソフト「Times Ten」などで構成する。国内市場には未投入だったSIPサーバー「hotsip」の提供も決めた。

 まだ構想段階にすぎないNGNに対して、各社がミドルウエア戦略を表明するのは、帯域を保証するQoSや高いセキュリティの実現によって、ASPサービスの質が高まり、ASPを前提とするシステム構築案件が増えるという読みがある。「企業の既存アプリケーションとNGNが提供する新しいサービスの連携が重要になる」(日立の竹村哲夫情報・通信グループ最高執行責任者)との考えに基づき、SDP構築で実績を重ね、SDPと連携して動作するシステム構築案件で他社に先行するのが狙いである。

(福田 崇男)