データセンター(DC)市場に異変が起きている。東京都内のDC使用率が8~9割に達するなど需要が急増し、事業者の増床策が追いつかない。最新サーバーの導入では電源容量が不足すると言われている。具体的にどのような問題が発生しているのか。最新事情を追った。

(安藤 正芳)


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 「もう、自社でサーバーを運用・管理し続けることは難しい」――。東京都渋谷区に本社を構えるシーエー・モバイルは今年から来年にかけて、自社のサーバー・ルームにあるサーバーを、同じ区内にあるインターネット・イニシアティブ(IIJ)のデータセンターに移設する。携帯電話向けにWeb検索サービスなどを提供する同社が利用しているIAサーバーの台数は、現在300台。今後半年には、さらに600台を追加する計画だ。「拡張性のあるデータセンターでなければ追加できないし、自社で管理できる台数ではなくなってきた」(斉藤智彦システムグループサブマネージャー)。

図1●データセンターの市場規模と首都圏における利用率(2006年以降は予想)
 通信事業者や専門事業者などが提供するデータセンターを使うユーザー企業が増えている(図1)。シーエー・モバイルのような“ネット企業”だけではない。野村総合研究所 システムマネジメント事業本部の山形高治 副本部長によれば、「一般企業も、インターネットを使ったビジネスの比重が高まったり、基幹系を24時間365日稼働にしたりして、自社でサーバーを管理しきれず、アウトソーシングし始めた」という。

 セキュリティ対策や災害対策でデータセンターを使うケースもある。不正侵入対策を施したり、回線や電源の冗長構成をとったりすることは、自社ではコスト面で限界があるからだ。シーエー・モバイルも、当初は新規のサーバーだけを預ける予定だったが、「8月14日に起きた首都圏の大規模停電をきっかけに、すべてのサーバーをデータセンターに預けることを決めた」(斉藤サブマネージャー)。

 これだけ需要が急増していると、「首都圏では、もうデータセンターは空いていないのではないか」との疑問が出てくる。同時に、「地方自治体が補助金を出すなど積極的にデータセンターを誘致しているはず。そこを借りればよいのではないか」とも思える。

 一方で、「最新型のブレード・サーバーは実装密度が高く、従来サーバーに比べて消費電力が大きい。データセンターでは深刻な電力不足が起きている」とのうわさもある。データセンターの利用を考えている企業にとっては、「立地や価格以外に比較する項目には何があるのか」も気になるところだ。


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