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米グーグルが企業情報システム分野に本格進出し始めた。2006年末にも同社の検索サービスを、業務パッケージで利用可能にする。すでに有力なソフト・ベンダーの支持を獲得。ネット、クライアント・パソコンも含めて、企業の情報活用に不可欠な存在を狙う。


本記事は日経コンピュータ 11月27日号に掲載予定のレポートより、本文のみを抜き出したものです。そのため図や表が割愛されていることをご了承ください。

 現在の企業向け戦略の最大の目玉は、「Google OneBox for Enterprise」と呼ぶ、業務パッケージとの連携機能である(図)。独SAP、米オラクル、BI(ビジネス・インテリジェンス)ツール・ベンダーの加コグノスや米ハイペリオン、米SASインスティチュート、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)ベンダーの米セールスフォース・ドットコム、米ネットスイートなどの有力企業が対応を表明済み。06年末から来年初めにかけて、各社のソフトやサービスで管理している情報を検索できるようになる。一部の日本企業も対応を開始したとみられる。

 グーグルはOneBox for EnterpriseのAPIを、無料で公開している。パッケージ・ベンダーはこのAPIを基に、Googleを使った検索機能や、検索結果を受け取ってアプリを起動する機能などを、自社製品に組み込めばよい。

 OneBox for Enterpriseの利点は、インターネットで使い慣れたGoogleの検索機能で、業務アプリを検索できることだ。利用者はWebブラウザ上から業務パッケージが管理するデータを検索。検索結果をクリックすると、業務パッケージの画面が起動して、該当するデータにアクセスできるようになる。「顧客A」の「入金状況」を知りたければ、これらをキーワードにして検索を実行する。

 OneBox for Enterpriseによる検索機能を利用する場合には、Googleの検索ミドルウエアを搭載した専用装置「グーグル検索アプライアンス(GSA)」を購入する必要がある。GSAの国内販売を手掛ける三井情報開発によれば、「企業内の情報検索で困っているユーザーは、予想以上に多い。業務アプリが検索できるようになれば、一気に利用が広がるのではないか」(GSAの営業を担当する鉢蝋吉久 営業担当課長)。ある製造業の情報システム担当者も、「使い慣れたGoogleで社内のあらゆる情報を検索できるなら、ぜひ使いたい」と語る。

 すでにグーグルは、電子メールやカレンダー、チャットを統合した企業向けサービス「Google Apps for Your Domain」を、11月から提供している。ネット上で利用できるワープロや表計算の無料サービスも10月に開始した。

 制限はあるもののOneBox for Enterpriseを使えば、情報の検索や共有、そして業務アプリへのアクセスまでを、グーグルのサービスでまかなえるようになる。個人向けと同様に、すべての情報はGoogleを経由するという戦略で、同社は企業情報システムを攻略し始めた。

(玉置 亮太)