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NTTグループは2006年12月20日、次世代ネットワーク(NGN)のフィールド・トライアルを東西2カ所のショールームで開始した。これまで明言してこなかった固定電話と携帯電話の連携サービスについて、早ければ2008年度にも始める方針が明らかになった。


本記事は日経コンピュータ 1月8日号に掲載予定のレポートより、本文のみを抜き出したものです。そのため図や表が割愛されていることをご了承ください。

 「NGNはNTTだけでは進めることができないサービス。オープンに接続して付加価値を創造したい」。NTTの和田紀夫社長はNGNのトライアル開始に先立つ会見で、家電や通信機器のメーカーとの連携を強調した。

 NGNのトライアルはNTT(持ち株会社)とNTT東西地域会社が取り仕切り、機器メーカーや家電メーカー、インターネット接続事業者(ISP)など外部の企業が参加している。12月20日の時点で、NECやシスコ、ソニー、ニフティ、日立製作所、松下電器産業など12社が名を連ねている(表)。

 各社は、NTTが提供するインタフェースに自社のサーバーや端末、回線を接続することでエンドユーザー向けのサービスを提供する。

 現時点では画像系のサービスが多数を占める。例えば、ハイビジョン相当の高画質とCD相当の高音質を実現するテレビ会議システム、コンテンツ配信のサービスを試している。目新しいところでは、日立の介護システムがある。施設や自宅にいる人の血圧など体調に関する情報を各種のセンサーで取得し、NGN経由で送信するものだ。

 これらは主としてNGNの「QoS(サービス品質)」を保つ機能を活用する。日立の担当者は「ネットワークが混雑しても、QoSを制御して医療情報を遅延なく送信できる」と説明する。

 NGNの「セキュリティ機能」も活用法を見せた。NTTが、オンライン・バンキングを提供している金融機関を想定し、認証システムの機能をデモしている。NTTが、ユーザーがあらかじめ登録してある回線から接続しているかどうかを認証し、その結果を金融機関に返すという機能だ。

 これらの機能はNTT東西だけでなく、SIベンダーや他の通信事業者にも開放する見通しだ。NECは「NGNの機能を活用し、当社の顧客にマッチするサービスを構築して提供したい」(広崎膨太郎 執行役員専務)とする。NTTはこうしたNGNの機能を、今春にもトライアルに追加する見通しだ。

 今回、NTT東西の固定電話とNTTドコモの携帯電話を連携させるFMC(固定と携帯の融合)で新たな動きがあった。NTTドコモがFMCで利用するための無線LAN搭載の携帯電話端末を従えてトライアルに参加。和田社長は「携帯電話をNGNで利用できる技術面の課題が解消される、2008年度か2009年度にはFMCを実現したい」と時期について初めて言及した。総務省はNTTグループのFMCを「支配的な事業者同士」として規制しており、サービス提供に向けて議論が必要だ。

 NTTは1月から、トライアルを社員の自宅に展開。4月には一般参加者を1000人程度募る。来年初頭には本サービスへ移行する計画だ。

(市嶋 洋平)