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 「商談に費やす時間を半分にする」「会議の回数を半分にする」「生産・物流コストを半分にする」「情報の検索時間を半分にする」「システムの開発・運用工数を半分にする」――。
 数年先を見据えた情報化プロジェクトに着手した先進13社の事例を探ると、各社ともこうした「半分」発想で取り組んでいることがわかった。
 この先、景気が回復しようとも、人・モノ・金といった経営資源は以前のようには増やせない。だからこそ、今のうちに仕事に費やす労力を半分にし、将来の成長に向けた「余力」を生み出しておく必要があるわけだ。
 「半分にする」ことは容易ではない。だが、高い目標を掲げるからこそ、奇抜なアイデアが出せ、情報システムを徹底的に活用することができる。今すぐに始めたい「半分」発想の鉄則を明らかにする。

(目次 康男)

◆動き出す新規開発投資
◆投資に動く13社に学ぶ「半分」発想、五つの鉄則


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 景気が本格的に回復する兆しは見えてこないが、明るいニュース(Good News)は増えてきた。本誌が調査したところ、新規開発分野のIT投資額の減少は4~6月期に底を打ち、7~9月期から上昇傾向に入っていることがわかった。

 Good Newsはもう一つある。2008年9月以降に「システム開発・保守プロジェクトを凍結・延期した」企業は約5割あるが、そのうち約3割がプロジェクトの再開に向けて動き出していることだ()。企業の情報化投資意欲は、確実に高まっている。

図●2008年秋以降のプロジェクト凍結・延期状況と再開気運の高まり
図●2008年秋以降のプロジェクト凍結・延期状況と再開気運の高まり

労力を「半分」にして余力を生む

 企業体質の強化――。厳しい経営環境のなか、情報化プロジェクトを進めている先進企業の狙いは明確である。

 今後、景気が回復するとしても、以前のように「人・モノ・金」を簡単に増やすことはできない。むしろ経営効率を高めるために、減らす圧力は続くだろう。仮にそうなったとしても、システム部門や業務部門が耐えられるよう、今のうちから半分の「人・モノ・金」で業務を遂行できる体質に変え、余力を生み出そうとしている。

 これを実践するために、各社は新たにシステムを構築して「業務に必要なデータの検索時間を半分にする」「会議時間を半分にする」「粗利が半分でも会社が成長するビジネスモデルに変える」といったプロジェクトを進めている。「システムの開発工数やコストを半分にする」という目標を掲げ、システム開発手法や開発・運用体制を見直す企業もある。

 なぜ「半分」を目指すのか。「あえて高い目標を掲げるから、奇抜なアイデアが生まれるし、システムを徹底的に活用しようとする」。INAXの坪井祐司取締役上席執行役員はこう言い切る。「目に見えるムダは、とうの昔に捨てた。それでも残っている業務やシステムは無くせないものばかり。だから、知恵と工夫で労力(時間や費用など)を半分にする」と続ける。

 カーセブンディベロプメントの井上貴之社長は、「数%の改善目標であれば、現場の頑張りでなんとかなる。しかし、“半分にする”となると、根本的に発想を転換したり、仕事そのものの存在価値を見直さない限り目標を達成できない」と言う。

今だからできる、今しかできない

 「システム開発・保守案件が少ない今こそ、システム基盤や開発体制を抜本的に変革するチャンス」と、住友電気工業の長谷川和義常務執行役員情報システム部長は強調する。「長期的な視点でシステム基盤を変えられる時間がある。今ならエース級のエンジニアも投入できる」(同)。オリンパスの北村正仁コーポレートセンターIT統括本部長は、「数年後の経営ビジョンから逆算すると、今すぐ動き出さないと手遅れになる」と主張する。

 半分プロジェクトを実践するテーマは山ほどある。今すぐに着手すれば、2009年度の下期中に実践できることは少なくない。紹介する先進13社の事例を参考に、「半分」発想をスタートしよう。「新規開発案件がない」などといって、立ち止まっていることはない。


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