PR

マイクロソフトが必死でカイゼン活動を進めている。最新OSの「Windows 7」の開発に当たっては、かつてない規模で顧客の声を収集し、動作性能や互換性を見直した。樋口泰行社長の号令下、品質向上や産学連携といった地道な活動にも力を注ぐ。

(玉置 亮太)

◆供給者の論理から抜け出す
◆Vistaに学び「7」で挽回
◆信頼を得るため地道な活動


【無料】サンプル版を差し上げます 本記事は日経コンピュータ10月14日号からの抜粋です。そのため図や表が一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。本「特集」の全文をお読みいただける【無料】サンプル版を差し上げます。お申込みはこちらでお受けしています。 なお本号のご購入はバックナンバーをご利用ください。

 8割の企業が「Vista」ではなく「XP」を使っているという結果を受けて、マイクロソフトが最初に取り組んだのは、これまで以上に顧客と向き合うことだった。世界中で顧客の不満や改善要望を収集し、7の仕様を固めた。動作性能、互換性、生産性、管理性という基本を見直した。

 「お客様の声をとにかくたくさん聞いた。パソコンを使って何をしたいのか、何が不満なのか。そうした声を集め、開発に活かした」。9月24日にマイクロソフトが開いた、Windows 7の販売戦略説明会。一般消費者向け事業を統括する堂山昌司 副社長は、こう切り出した。

 同社がWindows 7開発方針の第一に挙げるのが、「お客様の声から学ぶ」こと。インターネット経由の意見収集や対面での聞き取りなどで、顧客の声を集めた。まずWindows Vistaの出荷後、全世界で200カ国、のべ1100万人が利用するパソコン600万台から、インターネット経由で使用状況レポートを自動収集。同じくインターネット経由で1600件の聞き取り調査を実施し、改善要望を集めた。Windows 7の仕様策定前には、計2600人の一般消費者、4000人のIT管理者に対面調査を実施した。いずれもVista開発時とは段違いに多い。

[画像のクリックで拡大表示]

OSの基礎を改善

 これらの意見収集活動を基に、同社は利用者の不満や要望の原因を分析し、利用状況を想定した90を超える「シナリオ」を作った。当たり前の手法だが、それを同社として過去最大規模で実施した。

 「41%のIT管理者が企業内にあるデータへ容易にアクセスしたいと望んでいることがわかった」。米マイクロソフトでWindowsの企業向けマーケティングを統括するリチャード・レイノルズ ゼネラル マネージャー(GM)は、特に多かった要望の例をこう語る。さらにデータの暗号化やセキュリティ確保については56%、利用者の使えるソフトを制御したいという要望が61%に上ったという。これら三つの要望を基に作ったシナリオが、「社内外を問わず必要なデータを容易に利用して生産性を上げることと、管理やセキュリティの両立」というもの。これを実現するために、どんな改善や新機能が必要かを詰めていった。

 たどり着いた結論は、「OSとしての基礎的な部分を改善する」(レイノルズGM)こと。(1)パソコンの動作性能にかかわる内部構造の改良、(2)互換性を保つ機能や仕組みの整備、(3)ノートパソコンによるモバイル利用を念頭に置いた機能強化、そして(4)セキュリティをはじめとする管理者向けの機能強化である。「IT管理者やエグゼクティブが重視する点と当社の開発優先順位は、ほぼ合致していた。これらの強化を通じて、企業にとって必須の課題であるコスト削減を支援する」(レイノルズGM)。


続きは日経コンピュータ10月14日号をお読み下さい。この号のご購入はバックナンバーをご利用ください。