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10月からトヨタグループが利用を予定するなど、紙の手形を電子化した「電子手形」が急速に普及している。印紙代や事務処理コストが減らせる、分割譲渡が可能なため信用力の高い大手企業の手形が直接的な取引のない中小企業にも流通しやすい、といった利便性が受けている。先行して電子手形のサービスを提供する三菱東京UFJ銀行の取り組みを紹介する。

(吉田 洋平)


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 「サービス開始から9カ月で、すでに6000社以上が導入を決めている。2011年には1万社にまで拡大したい」。日本電子債権機構(JEM CO)の上原高志取締役企画部長は意気込む。JEMCOは2008年6月に発足した三菱東京UFJ銀行の100%子会社で、電子手形のサービス提供に必要なシステムを管理・運用する。

 現在、電子手形のサービスを一括して提供しているのは、三菱東京UFJ銀だけだ。同行の成功に続けとばかりに、三井住友銀行とみずほ銀行が2010年中にも、全国銀行協会も2012年に同様のサービスを始める予定だ。

 ここで、電子手形の振り出しから決済までの処理手順を、三菱東京UFJ銀が提供するサービスを例に見てみよう()。まず、信用力の高い大手企業が、三菱東京UFJ銀に電子手形サービスの利用を申し込む。この企業を「支払い企業」と呼ぶことにする。支払い企業は、調達先から部材を購入した際の支払い代金として、1億円の電子手形を振り出す。これを直接受け取った企業は、1億円のうち6000万円分を別の企業への支払いに充て、残りの4000万円分を地方銀行で割引(資金化)する。

図●電子手形が、手形の支払い企業から間接的に手形を受け取る納入企業まで流通する場合の処理手順
図●電子手形が、手形の支払い企業から間接的に手形を受け取る納入企業まで流通する場合の処理手順
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 6000万円分の電子手形を間接的に受け取った企業は、これを先ほどとは別の地銀で割引する。電子手形を買い取った二つの地銀は、三菱東京UFJ銀にある支払い企業の口座から額面の金額をそれぞれ引き落とす。このようなことができるようになる。

 電子手形のサービスは、手形の発行・管理と、買い取りの二つに分けられる。三菱東京UFJ銀はこの両方を提供し、同行と提携する地銀などの金融機関は買い取りだけを手がける。JEMCOの役割は、サービス提供に必要なシステムを管理することだ。

 三菱東京UFJ銀の電子手形の発行・管理サービスを利用している企業はホンダなど10社程度だ。このほか豊田通商など大手企業50社前後がサービス利用に向けて準備を進めている。トヨタグループなど大手グループが利用を始めると、「納入企業」と呼ぶ電子手形の受け取り企業が少なくとも1000社は利用を始めるという。


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