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 銀行の勘定系システムにLinuxを採用する事例が、国内で初登場する。証券取引所など、これまで国内では導入が進んでいなかったミッションクリティカル分野で、Linuxの採用が相次いでいる。

 大規模なデータベースを含め、数千台のサーバーの“標準OS”としてLinuxを採用しようという企業もある。

 今、「実績が少ない」というLinux導入の最後の障壁が崩れた。信頼性、保守サポート、対応する業務アプリケーションなど、Linuxの導入をためらう要因は皆無と言っていい。

 すべての企業システムで選択肢に入るようになったLinux。安くて安心なOSとしてLinuxを選べる時代がやってきた。

(吉田 洋平)

◆もう“実績不足”と言わせない
◆性能高く、運用しやすい
◆10年保証のシステムも


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もう“実績不足”と言わせない

 “実績不足”というLinux導入を阻む最後の壁が崩れた。

 来年、銀行の勘定系システムとしては国内で初めてLinuxを採用したシステムが稼働する。大和証券グループ本社が、2011年中の開業をめざすインターネット専業銀行において、勘定系のOSとしてLinuxの採用を決めたのだ。

 ネット銀行であっても、ダウンが許されないのは一般の銀行と同じだ。だが、ネット銀行の設立準備会社である大和ネットバンク設立準備の水島正美システム企画部長は、Linuxの採用を決める際に「躊躇はなかった」と話す。信頼性については、「これまでグループのシステムに採用した経験から信頼性の高さを確認できた。今年1月に稼働した東京証券取引所の新株式売買システムの成功もLinuxの採用に弾みを付けた」とする。

 数千台のサーバーを抱える企業で、あらゆるシステムにLinuxを採用しようという事例も登場した。デンソーは、グループで採用する標準OSをLinuxに決定、今年9月に新たな業務システムが稼働するなど、標準にのっとったシステムを構築している最中だ。同社グループで現在稼働しているサーバーはメインフレームやUNIXサーバーなど数千台規模。これが基本的にはLinux搭載サーバーに置き換わっていく。

 デンソーの小林公英IT企画部標準化推進室主幹は、「メーカー依存のOSを使ってメーカーの言いなりになっているというイメージから脱却し、我々自身がグループのIT部門としてシステムを統制したいと考えた」とLinuxを採用する理由を語る。

 かつて「Linuxの課題」と指摘されたことはほとんどが解消したとはいえ、「実績はあるのか」という上司の言葉に、Linuxの採用をためらう担当者は少なくないのではないか。だが、ここにきて大和証券やデンソーなど、金融のミッションクリティカルシステムや、大企業の大規模な基幹サーバーなど、最も高い信頼性が求められるシステムにLinuxを採用する企業が相次ぎ現れた。

 これからは、「銀行の勘定系でも使われている」という実績が、担当者の背中を後押しするだろう。どんな企業でも、安心してLinuxを導入できる時代が到来した。

2011年にはシェアが2位に

 Linuxを導入する企業が今後大きく増える傾向にあることはデータにも表れている。今年6月にIDC Japanが発表したサーバーOSの金額ベースの市場シェアデータによると、2010年にLinuxはUNIXを抜き、2011年にはメインフレーム用OSも抜いて2位になる見込みだ()。

図●サーバーOSの2009年までの売上実績と2010年以降の売上予測
図●サーバーOSの2009年までの売上実績と2010年以降の売上予測

 市場シェアは、メインフレームやUNIXの場合は「OSのライセンスコスト+保守料」、ライセンスコストが無料のLinuxの場合は「サブスクリプション」と呼ぶ保守料から計算する。そのため、FedoraやCentOSなど、サブスクリプションが発生しない無償のLinuxの利用実績はこのデータには含まれない。

 オープンソースビジネス推進協議会(OBCI)で事務局担当理事を務める野村総合研究所(NRI)の寺田雄一 情報技術本部オープンソースソリューションセンター長は「無償Linuxは大規模なデータセンターなどで盛んに利用されている。Linuxをインストールしているサーバーは、Windowsと同等かそれ以上だろう」と見る。


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