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コスト削減を優先するために、システムの稼働率を下げる。素早く利用し始めるために、システムの機能を最小限に抑える──。クラウドサービスを上手に利用するには、何かを優先し何かを割り切る「トレードオフ思考」が不可欠だ。266社の調査結果から、クラウドサービスとの上手な付き合い方を探る。

(目次 康男)


【無料】サンプル版を差し上げます 本記事は日経コンピュータ10月13日号からの抜粋です。そのため図や表が一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。本「Close UP」の全文をお読みいただける【無料】サンプル版を差し上げます。お申込みはこちらでお受けしています。 なお本号のご購入はバックナンバーをご利用ください。
調査概要
情報化戦略の意思決定者で構成する「景況・IT投資動向調査パネル」と、日経コンピュータが主宰する「システム部長会」の会員に対して、日経コンピュータと日経BPコンサルティングが共同でネット調査を実施した。調査期間は9月16日~24日。ユーザー企業266社(公共・教育機関など17団体含む)から回答を得た。

 「どう利用すればよいのか分からない」。これがクラウドコンピューティングに対するCIO(最高情報責任者)やシステム部長の本音だろう。

 「早く安くシステムを利用できる」とうたっているクラウドコンピューティングサービス(以下、クラウドサービス)への関心は高い。その一方で、「本当に費用対効果が高いのだろうか」「システム部門として今すぐ取り組むべきテーマなのか」「どこから手を付ければよいのだろうか」といった疑問の声は少なくない。

 そこで本誌は独自に、情報化戦略の意思決定者であるCIOやシステム部長などを対象に、「クラウドサービスの利用実態調査」を実施した。ユーザー企業266社(公共・教育機関など17団体含む)の回答結果と、いち早く利用しているユーザー事例を基に、クラウドサービスとの上手な付き合い方を探った。

“割り切り”が肝心

 クラウドサービスを賢く利用するためのキーワードは「トレードオフ」である。このことが独自調査を通じて分かった。

 「クラウドサービスの利用に関して、『コストを削減するためなら、システムの稼働率が下がっても仕方がない』『システムを素早く利用開始するためには、機能は最小限に絞り込む』といったように、何かを優先するために別の何かを妥協したほうがよいと思うか」と質問したところ、「思う」と「やや思う」を合わせた回答比率は、6割だった()。3社に2社はトレードオフが必要だと考えている。

「割り切りが必要」が8割

 クラウドサービスを利用している会社と利用していない会社とでは、割り切りの必要性に対する認識度合いが大きく異なる。

 クラウドサービスを利用している63社のうち、割り切りが必要だと「思う」と「やや思う」を合わせた回答比率は、約8割(49社)を占めた。クラウドサービスを「1年以内に利用する予定」という会社も傾向は同じで、約8割が割り切りは必要だと「思う」、または「やや思う」と回答した。

図●クラウドサービスの利用に関して「割り切り」が必要と思うか
図●クラウドサービスの利用に関して「割り切り」が必要と思うか
「クラウドサービスの利用に関して、『コストを削減するためなら、システムの稼働率が下がっても仕方がない』『システムを素早く利用開始するために、機能は最小限にしぼり込む』といったように、何らかのサービス内容やサービスレベルを優先するために、別の何かを妥協したほうがよいと思うか」を尋ねた

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