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企業経営者がITの価値を再認識し始めている。経営環境の激変に直面し、新規分野の開拓やグローバル展開を急ぐ中で、ビジネスを高度化する道具としてのITの戦略的価値に気付いたからだ。今、経営者はITや情報システム部門に何を求めているのか。「編集長インタビュー」に登場した著名企業の経営者17人の証言から、本誌編集長が全てのIT担当者のために解説する。

(木村 岳史)

◆経営と先端ITを結びつけよ
◆戦略性あるシステムを求む
◆ITに依存しすぎるのは危険
◆自らがシステムに関与する
◆出でよ、新たなIT企画人材


【無料】サンプル版を差し上げます 本記事は日経コンピュータ1月5日号からの抜粋です。そのため図や表が一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。本「特集」の全文をお読みいただける【無料】サンプル版を差し上げます。お申込みはこちらでお受けしています。 なお本号のご購入はバックナンバーをご利用ください。

 日経コンピュータは次号1月19日号で創刊800号を迎える。この30年以上にわたる日経コンピュータ、そしてITの長い歴史の中でも、2012年は画期的な年となるはずだ。クラウドやスマートフォン/タブレット端末、ビッグデータなど最近の大きな技術革新が、情報システムの在り方を根本的に変えるからだ。そして、既存のビジネスを変革し、新たなビジネス機会を生み出すに違いない。

 日本企業は2011年に、東日本大震災や原発事故、欧州債務危機、異常な円高、そして日本のTPP(環太平洋経済連携協定)交渉への参加など、様々な困難や事業環境の激変に直面してきた。そうした中、多くの企業の経営者が、新規市場の開拓やグローバル化などの経営課題に立ち向かう上でのツールとして、ITの価値を再認識しつつある。

経営におけるITの戦略性高まる

 編集長である私は、2011年に日経コンピュータとしてこれまでにない試みを行った。それは「編集長インタビュー」のコラムに、数多くのユーザー企業の経営トップに登場してもらうことだ。大手企業を中心に総勢17人の社長や頭取、会長から、「経営とIT」について聞いた()。そこから浮き彫りになったのは、ITを活用してビジネスを革新することを真剣に模索する経営者の姿だ。

図●編集長インタビューに登場した経営者
図●編集長インタビューに登場した経営者
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 もちろん経営者によってITに対する認識にはバラツキがある。ただし、以前盛んに喧伝された“IT万能論”や、その反動である“IT Doesn’t Matter(ITは経営に重要ではない)”といった浅薄な議論に惑わされる経営トップはもはやいない。例えば「アナログ人間」を自認するファミリーマートの上田準二社長は、商社から転じた後、コンビニにおけるシステムの意義を把握し、利益につながるIT投資を徹底追求するようになったとする。

 特筆すべきは、製造業の経営トップのITに対する期待が高まっていることだ。もともと金融機関や小売り・サービス業は、IT投資に熱心だった。システムによって商品やサービスを差異化できるからだ。それがここに来て、製造業でもビジネスモデルの変革やグローバル展開において、クラウドなどの活用が差異化要因になりつつある。今や産業全般でITの戦略的価値は高まっており、経営者の関心も近年になく高い。

ITに本気なら要求は厳しい

 では、経営者にとって戦略性の高いシステムとは何か。ERP(統合基幹業務システム)に「製造業としての競争力の源泉はない」と断じるコマツの野路國夫社長は、自社の建設機械に組み込んだITがビジネスを大きく変えることができるとして陣頭指揮をとる。りそなホールディングスの細谷英二会長が指摘するように、顧客満足度の向上と業務の効率化を両立できるIT投資についても、経営者は重要性を強く認識している。

 こうした戦略性の高いシステムなら、経営者は強くコミットする。大和証券グループ本社の鈴木茂晴会長は、社長当時のインタビューで「システム刷新を決断したことが、一番の自慢」と言い切っている。

 そんな経営者が情報システム部門やその担当者に求めることは、まず最先端の技術に乗り遅れるなということだ。クラウドやビッグデータなどが大きな話題となり、経営者自らもその可能性を研究しているため、その要求は厳しい。もちろん事業環境や経営戦略の違いにより、経営トップが求めるシステム像は個々に違う。IT担当者が自社の経営や業務を深く理解することも強く求めている。

 以下、17人の経営者の声を基に経営が求めるITの真価を分析・解説する。経営と最先端の技術を結びつけるIT企画の立案に役立ててほしい。


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