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市場は先行き不透明、既存事業も先細りする一方──。厳しい現状の打破に向けて、ビジネス分析やシステム化計画などの「超上流」を見直す企業が増えている。大胆な発想のもと、事業の立て直し策や新たな製品/サービスを生み出す「イノベーション」の実現が狙いだ。「デザイン思考」をはじめとする新たな手法も相次ぎ登場。情報システム部門が事業部門や利用者を巻き込み、喫緊の課題に総力を挙げて取り組む時期が来ている。

(玄 忠雄)

◆現場と共に課題を掘り起こす
◆本命、デザイン思考に挑戦
◆三つの新手法を押さえる


【無料】特別編集版(電子版)を差し上げます 本記事は日経コンピュータ12月6日号からの抜粋です。そのため図や表が一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。本「特集」の全文は、日経BPストアの【無料】特別編集版(電子版)で、PCやスマートフォンにて、12月11日よりお読みいただけます。なお本号のご購入はバックナンバーをご利用ください。

 長崎県を地盤とする十八銀行は2012年春、支店営業の改革プロジェクトを開始した。参加しているのは、本店の営業統括部と情報システム部門に当たる電算部の中堅社員6人だ。

 プロジェクトの狙いは、営業力を高める新システムの構築。営業統括部と電算部の担当者が直接、顔を突き合わせて議論し、課題を掘り起こしていった(写真)。

写真●支店営業の改革プロジェクトに携わった十八銀行のメンバー
写真●支店営業の改革プロジェクトに携わった十八銀行のメンバー
左から二人めがプロジェクトを主導した電算部の山下公一部長

 ここで使ったのは、現場と共に隠れた課題や要求を掘り起こす「要求開発」と呼ぶ手法である。約4カ月で「足で稼いだ営業情報を使いこなせていない」など30近い課題を抽出、解決案をまとめた。これを「システムで実現すべき要求」と捉えて、新たな営業支援システムのプロトタイプを3カ月で開発した。12月中にも現場で試用し、その意見を基に改良する。新システムは2013年にも利用を始める計画だ。

自ら現場に飛び込む

 十八銀行の電算部が営業統括部との共同作業でシステムを開発するのは、今回が初めて。地方銀行では営業など現場が強く、電算部は「現場の要求を聞き、IT化する役割に徹してきた」と電算部の山下公一部長は話す。

 今回のプロジェクトは電算部が営業統括部に話を持ちかけ、実現した。狙いは「現状打破」。営業統括部は「営業力強化に向けた新たな手段が必要」と痛感していた。一方、電算部も「支店の情報武装をこのまま進めて、本当に効果が上がるのか」(山下部長)と疑問視していたという。経営層が「収益にもっと貢献するIT化を進めてほしい」と強く要請していたことも電算部の背中を押した。

 現場には、当事者も気付いていない「真の課題」が埋もれている。そうした課題を掘り出し、整理して解決策につなげていくノウハウがシステム部門にはある。電算部が自ら現場に飛び込み、真の課題の掘り起こす役割を担うことに決めたのはこのためだった。


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