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 IT関連の職場で女性の活用・登用に力を入れる企業が増えている。少子高齢化の中で労働力を確保すること、優秀な社員の流出を防ぐことなどが直接の狙いだ。だがその本質は、創造力にあふれ効率的な職場を実現することにある。

 本誌が女性活用の取り組みを取材して得た結論は一つ。「優れた職場とは、女性が活躍している職場である」ということだ。女性活用に挑む企業の最新動向から、「強いIT職場」作りの勘所を探る。

(西 雄大)

◆女性役員は1%にも満たず
◆りそな銀、女性活用で復活
◆成否を左右する3要素
◆特別座談会 社長が覚悟を決めよ


【無料】特別編集版(電子版)を差し上げます 本記事は日経コンピュータ12月20日号からの抜粋です。そのため図や表が一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。本「特集」の全文は、日経BPストアの【無料】特別編集版(電子版)で、PCやスマートフォンにて、12月26日よりお読みいただけます。なお本号のご購入はバックナンバーをご利用ください。

 日本企業がダイバーシティの推進に注力している。最たる例が女性活用だ。少しずつではあるが、役員登用も増えている。

 ではIT業界はどうだろうか。本誌は国内IT大手13社における執行役員を含む女性役員の割合(2012年10月30日時点)を調べた。すると、わずか2人だけだった。役員は合計で約370人いるにもかかわらずだ。割合にして1%にも満たない()。

図●主な国内IT企業と日本IBMにおける女性役員数の比較
図●主な国内IT企業と日本IBMにおける女性役員数の比較
13社の合計でわずか2人だけだ

 対照的なのが外資系ベンダーだ。例えば日本IBMには女性役員が6人いる。「1997年から15年がかりで女性活用を進めてきた。経営幹部への登用が増えてきたのは、長年の積み重ねの結果だ」。人事ダイバーシティ担当の梅田恵部長はこう述べる。

 女性の管理職比率も調べてみた。国内IT大手では日本ユニシスが7.7%と高く、NECが4.7%で続く。女性役員比率よりは高いが、それでも日本IBMの13.2%には及ばない。日本IBMには女性の部長職以上が253人いる。経済同友会が2012年10月に実施した調査「女性管理職・役員の登用・活用状況」によると、女性の管理職比率は全業種平均で4.6%である。

「大量退職」前に対策を

 国内IT企業にとって、女性活用は待ったなしだ。というのも、各社における20~30代の女性社員の比率が高まっているからである。各社は2000年代に入ってから女性社員の採用を強化してきた。この10年間に大量採用した女性社員が、結婚したり出産したりする時期に差し掛かっている。

 何も手を打たないと、優秀な女性社員が一気に退職する事態を招く。日立製作所の相馬知子情報・通信システム社人財企画部主任は「20代から30代前半までの優秀な女性が大量に退職すると困る」と危機感を募らせる。

 働き盛りの社員の退職は、コスト面でも痛手である。SCSKで人事企画部長を務める中谷光一郎上席執行役員は「新入社員を一人前に育てるのに1000万円はかかる。にもかかわらず、女性社員の6~7割が出産を機に退職している」と打ち明ける。

 人事コンサルティング会社、タワーズワトソンの永田稔ディレクターは、「30代は現場のリーダーとして活躍している人が多い」とした上で、「この世代が抜けると痛手だ。だからこそ、女性社員が働きやすいように人事制度を改める企業が増えている」と説明する。30代の現場リーダーは次世代の管理職候補であり、将来の幹部候補でもある。これらの世代の女性社員をつなぎとめる施策の整備が、IT企業には急務となっている。


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