PR

沖縄県の尖閣諸島を巡り、悪化したままの日中関係。デモや暴動が収まったあとも政治的な対立は続き、中国市場へ進出した日系IT企業に「入札がキャンセルされる」「プロジェクトが延期になる」などの影響を及ぼしている。各社が中国で直面している問題と、チャイナリスクをどう乗り越えようとしているのかを追った。

(宗像 誠之)


【無料】特別編集版(電子版)を差し上げます 本記事は日経コンピュータ12月20日号からの抜粋です。そのため図や表が一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。本「特集」の全文は、日経BPストアの【無料】特別編集版(電子版)で、PCやスマートフォンにて、12月26日よりお読みいただけます。なお本号のご購入はバックナンバーをご利用ください。

 「日中関係の緊張は続いていますが、大連での事業活動は普段通り。とても安全です」──。2012年11月27日、東京・西新宿の高層ビルの一室に声が響く。語っているのは、中国・大連でITパークの開発・運営を手がける大連ソフトウエアパーク(DLSP)などの関係者。日系企業向け誘致セミナーの一こまである。

 DLSPは日本のIT企業などに対して、大連に拠点を設ける魅力をアピールするセミナーを毎年開催している。今回のセミナーには日系企業から約40人が出席。昨年に比べ、セミナーの規模は半分に縮小した(写真)。

写真●大連ソフトウエアパークなどが開催した日系企業向け誘致セミナー
写真●大連ソフトウエアパークなどが開催した日系企業向け誘致セミナー

 「2012年前半は、前年を上回る勢いで日系企業が進出していた。しかし、同年後半は伸び悩んでいる」。セミナーに合わせて来日したDLSPの高煒総裁と田豊副総裁はこう話す。DLSPに拠点を構えるイダテック日本法人の崔海紅社長は「この状況下では2013年も、日系企業による中国進出の勢いは落ちたままだろう」とみる。同社は中国IT企業で、売上高の約6割を日本向けBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業などが占める。

 DLSPの総裁たちが先行きを懸念するのも無理はない。DLSPの施設には現在、BPOやソフトウエア開発などを手がける世界中のIT企業が約400社入居している。うち4分の1に当たる100社近くが日系企業だ。さらに、DLSPに入居する企業の約8割が日本向けにビジネスを展開している。DLSPや現地BPO事業者の業績の浮沈は、日系企業の進出動向と、日本からの業務発注量に大きく依存しているのだ。

 このように中国企業は、日本との良好な関係の維持に腐心している。しかし、それは彼らにとって日本が上客だからだ。実際には、尖閣問題を契機とした日中関係の悪化の影響は、日系IT企業の中国ビジネスにまで及ぶ。中国の大連以外の地域では、日系IT企業は苦難に見舞われているのだ。

 本誌の独自調査で、中国へ進出済みの日系IT企業の営業活動に様々な支障が生じていることが判明した。


続きは日経コンピュータ12月20日号をお読み下さい。この号のご購入はバックナンバーをご利用ください。