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全社でビッグデータ活用に取り組むことを決めたら、システム部門は初期段階で、どのような役割を果たし、どう行動するべきなのか。パナソニックやNTTぷららなど最近本腰を入れ始めた企業や、楽天、リクルート、大阪ガスといった先進企業への取材から、「初動」の3原則が見えてきた。社内での立場や利用部門との関係構築をどう考え、システムや人材・組織、データの今後をどのように描くべきなのか。現実解を紹介する。

(市嶋 洋平=日経BP ビッグデータ・プロジェクト)

◆動き出したパナソニック
◆全社最適に向けた現実解
◆原則1 システム部門が主導権を取れ
◆原則2 利用部門・経営陣を巻き込め
◆原則3 IT・人・データの2年後を描け
◆寄 稿 ビッグデータ時代のCRMとは


【無料】特別編集版(電子版)を差し上げます 本記事は日経コンピュータ4月4日号からの抜粋です。そのため図や表が一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。本「特集」の全文は、日経BPストアの【無料】特別編集版(電子版)で、PCやスマートフォンにて、4月10日よりお読みいただけます。なお本号のご購入はバックナンバーをご利用ください。

 2013年1月、パナソニックがビッグデータの本格活用に向け、静かにのろしを上げた。

 同社のシステム部門に当たるコーポレート情報システム社の社員2人を渡米させ、ニューヨークの大学の専門コースでデータサイエンティストとして育成。帰国後はデータ活用の中核を担わせる。

 「留学は2012年末に決めて即実行した。2人を社内初のデータサイエンティストに育て、これを足がかりに、2015年には50人に増やしたい」。コーポレート情報システム社CITA推進センターの松本昌之所長はこう意気込む。

 パナソニックは2012年夏、「スマート家電」に舵を切り始めたのを機に、全社を挙げたビッグデータ活用の体制作りに着手した。

 スマート家電は、減少を続ける特約店「パナソニックショップ」に代わり、顧客の情報を直接把握できる新たなチャネルとして同社が大きな期待をかけている。スマートフォンとインターネット経由で収集した利用状況のデータを、会員サービスの顧客情報と照らし合わせることで、年代や性別、地域などにより異なる顧客一人ひとりの使い方を見極めることができるからだ。「ビッグデータから新たなニーズを見いだし、ビジネスの企画や開発に役立てたい」(松本所長)。

 今後はスマート家電からのデータに加え、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)での製品や競合に関する投稿、市場調査会社の販売実績や統計情報、法人向け太陽光発電システムや大型バッテリーの稼働状況などのデータも分析対象に加えていく。

 そうしたビッグデータ活用の全社展開に向け、同社がまず手がけた「初動」の一手が、システム部門主導によるデータサイエンティストの育成だった。米国留学を果たした2人は、まさにその先兵の役割を果たす。

全社展開に欠かせない3原則

 ビッグデータ活用の体制作りに全社の課題として取り組んでいる企業はまだ少数派である。

 2月に都内で開催されたイベント「BigData EXPO」で行った、データ分析の実施状況に関する調査では、来場者の81%が「データ分析をほぼしていない」または「部分的もしくは場当たり的に行っている」と回答した。現状の課題については「活用のノウハウ不足」のほか、「データサイエンティストなどの人材不足」「複数の社内組織との連携」などを指摘する声が多かった。

 では、これから全社の課題としてビッグデータ活用に乗り出そうとしている企業のシステム部門は、まず何を考え何に取り組むべきなのか。

 この初動時のポイントを、ビッグデータ活用の先行企業や識者・専門家に取材した結果、三つの原則が浮かび上がってきた()。(1)システム部門が早期に主導権を取ること、(2)利用部門・経営層を巻き込むこと、(3)およそ2年後のシステム像とシステム部門の在り方を明確に描くこと、である。

図●ビッグデータを全社で活用する体制を築くための「初動」3原則
図●ビッグデータを全社で活用する体制を築くための「初動」3原則

 (1)の「主導権」は、決してシステム部門と利用部門の綱引きを意味するわけではない。ゴールはあくまでも、ビッグデータ活用を全社展開し、ビジネス上の成果を最大化することにある。


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