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情報システム部門は今、大きな岐路に立たされている。クラウドや、新しいタイプの運用管理ツールが登場したことで、「システムの安定運用」という既存業務の大半を、人手からプログラムに置き換え、自動化できるようになったからだ。運用担当者を大幅に削減するユーザー企業も増えている。情報システム部門は今の運用スタイルを変革し、よりビジネスに貢献できる体制を作らなければ、存在意義を問われることになる。変わり始めた運用の姿を、事例を基にお伝えしよう。

(中田 敦)

◆運用担当者、激減中
◆これから無くせる五つの業務
◆運用担当者、四つの未来像
◆中小ベンダーが狙う「クラウドで運用代行」


【無料】特別編集版(電子版)を差し上げます 本記事は日経コンピュータ4月18日号からの抜粋です。そのため図や表が一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。本「特集」の全文は、日経BPストアの【無料】特別編集版(電子版)で、PCやスマートフォンにて、4月24日よりお読みいただけます。なお本号のご購入はバックナンバーをご利用ください。

運用担当者、激減中

 ユーザー企業の情報システム部門で今、運用担当者の人数が大きく減り始めていることをご存じだろうか。

 運用業務には、「アプリケーション保守」や「OS/ミドルウエア運用」、「ITインフラ運用」などがあるが、あらゆる業務に関わる運用担当者が減少しているのだ。まずは4社の事例を紹介しよう。

サイバーエージェント
運用担当者の人数 20人 → 0人(予定)

 サイバーエージェントで消費者向けWebサービスを手がけるアメーバ事業本部では、現時点で20人いるOS/ミドルウエアの運用担当者を、2年後の2015年までにゼロにする計画だ。

 彼らは現在、OS/ミドルウエアをサーバーにインストールしたり、パッチを適用したり、アプリケーションの負荷に応じてサーバー台数を増減したりする業務を行っている。これらの業務を、オープンソースソフトウエアの運用管理ツール「Chef」を導入することで、自動化する計画だ()。

図●OS/ミドルウエア運用の自動化を目指すサイバーエージェント<br>オープンソースソフトウエア(OSS)の運用管理ツール「Chef」を導入して、OSやミドルウエアの運用を自動化する。ITインフラの運用はすでに、IaaS構築ソフト「OpenStack」で自動化済みである
図●OS/ミドルウエア運用の自動化を目指すサイバーエージェント
オープンソースソフトウエア(OSS)の運用管理ツール「Chef」を導入して、OSやミドルウエアの運用を自動化する。ITインフラの運用はすでに、IaaS構築ソフト「OpenStack」で自動化済みである
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 Chefは、OSやミドルウエアの設定を「レシピ」と呼ぶRubyのプログラムとして記述し、各ソフトに適用するというツールだ。従来、OS/ミドルウエアの設定作業の内容は手順書に記述し、運用担当者は手順書に従って人手で運用管理ツールを操作していた。「Chefでは手順書の代わりにRubyのプログラムを記述し、プログラムがOSやミドルウエアの設定を人に代わって行う」。サイバーエージェント アメーバ事業本部ピグディビジョンの並河祐貴氏はこう語る。

 並河氏は現在、自分が行ってきた運用の手順を、Chefのレシピに落とし込む作業を進めている。同社では今後、並河氏が作成したChefのレシピを使うだけで、運用担当者ではなく開発者がOS/ミドルウエアの設定を行えるようになる。レシピが整備できれば、「これまで運用担当者がやってきた、OSやミドルウエアの設定という業務は不要になる」(並河氏)。

※  ※  ※

 こうしたユーザー企業は、利用部門の要望に開発部門が素早く応える「アジャイル開発」を進める中で、開発したアプリケーションを利用部門に届けるスピードが遅いことに悩みを抱えていた。ボトルネックは、開発部門の依頼を受けた運用部門が、ITインフラやOS、ミドルウエアなどを用意するまでに、時間がかかることだった。

 そこで、運用業務をクラウドやプログラムに置き換えることで、開発と運用の連携を自動化し、アプリケーションを利用部門に素早く届ける体制を整えた。その結果、運用担当者が劇的に減った。こうした体制を最近は、「DevOps(デブオプス)」と呼ぶ(図4)。これは開発(Development)と運用(Operations)を合成した単語だ。

 今後、ビジネスの変化に即応し素早くアプリケーションを業務部門に届けたいというニーズは確実に高まる。だとすれば、ユーザー企業はアジャイル開発やクラウドの導入を積極的に検討・推進し、DevOpsに舵を切らざるを得ない。「情報システム部門は、システムの開発や改善に、より多くのリソースを割くべき」という経営陣からのプレッシャーも厳しい。IT予算が増えづらい中で、開発のリソースを増やすためには、DevOpsを推進し、運用から開発に人を振り向けることも必要だ。

 本特集は、今後の技術の進歩によって無くすことが可能な運用業務を確認し、情報システム部門に求められる組織変革の方向性を探る。続いて、運用担当者の未来像を考察する。


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