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日本の通信会社から、世界のIT企業へ─―。内需に依存するドメスティック企業の代表格だったNTTが変貌を遂げつつある。目指すのは、過去に1兆円以上の損失を被った北米市場だ。世界で最も競争の激しい市場で、いま大型商談を連続受注。直近3年間で海外企業の買収に約7000億円、この1カ月だけでも1350億円以上もの資金を投じた成果が表れつつある。一方、こうした急拡大の裏側で、新たな課題に直面している。目覚めた巨人に世界で勝ち目はあるのか、緊急検証する。

(浅川 直輝)

◆北米で大型受注の快進撃
◆「日本型」に潜む三つの課題
◆NTT持ち株会社 鵜浦博夫社長インタビュー


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北米で大型受注の快進撃

 「技術力の高さと、これまでの公共システムのトラックレコード(実績)から、NTTグループが最適なパートナーだと確信した」。米テキサス州の鉄道・航空・道路を管理するテキサス州交通局のスコット・レナード最高戦略・総務責任者(CSAO)は断言する。

 NTTグループはテキサス州交通局から大型のITアウトソーシング契約を受注した。2013年6月に締結した契約額は、5年間で190億円ほどに上る()。年間総予算1兆円という全米最大規模の公共交通局によるITアウトソーシングとして、米メディアを賑わすなど現地ではちょっとしたニュースになった。

図●米テキサス州交通局がNTTグループに発注したITアウトソーシング契約<br>アプリ保守からセキュリティまで「オールNTT」、総計190億円規模の案件だ
図●米テキサス州交通局がNTTグループに発注したITアウトソーシング契約
アプリ保守からセキュリティまで「オールNTT」、総計190億円規模の案件だ
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 NTTグループはテキサス州交通局が持つ大半の情報システムの運用、保守を受託する。約450あるアプリケーションの保守は、NTTデータの米子会社である米NTTデータ(NTT DATA, Inc.)が担当。ネットワーク構築・管理はNTT持ち株会社が2010年に買収した南アフリカのディメンションデータが、セキュリティ運用は同じくNTT持ち株会社が2013年に買収した米ソリューショナリーが担当する。

 受託に伴い、テキサス州交通局のIT部員310人のうち270人を米NTTデータが引き受ける。テキサス州交通局は一連のITアウトソーシングにより、年間約30億円のコスト削減を見込む。

KFC運営先からも100億円受注

 テキサス州交通局との契約は、まさに「オールNTT」で勝ち取った案件だった。これはほんの一例にすぎない。今、NTTグループが北米で大型案件を相次ぎ獲得する快進撃を続けている。

 「ケンタッキーフライドチキン」「ピザハット」「タコベル」を全世界に展開する売上高1兆3000億円のファストフード大手、米ヤム・ブランズからの受注もその一つだ。NTTグループは2013年7月、ヤム・ブランズからBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とITアウトソーシングの契約を獲得した。受託費用は7年間で合計100億円を超える。

 ヤム・ブランズはパートナー企業の選定に当たり、6社のグローバルIT企業とNTTグループの7社にRFP(提案依頼書)を出した。ヤム・ブランズのミシェル・ウェルズ ファイナンス担当VPは、その狙いについて次のように語る。「ファストフード運営企業が高度なIT人材を採用し続けるのは難しい。優れたIT企業と手を組み、イノベーティブな情報システムを実現できるIT人材にアクセスしたかった」。

 コンペの結果、NTTグループが総合力で勝るとしてパートナーに選ばれた。

 ヤム・ブランズの給与や経理といった間接業務の7割を、NTTデータがインドに持つBPO拠点に移管する。これまでヤム・ブランズが自社のデータセンター(DC)のメインフレームと物理サーバーで稼働させていたERPシステムを、NTTコミュニケーションズ(コム)の米国法人である米NTTアメリカのDC上に構築した仮想環境に移し、米NTTデータがインフラ運用からアプリケーション保守までを請け負う。


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