編集後記
目次
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2015年1月8日号
System of Record(SoR)とSystem of Engagement(SoE)という、企業システムの分類があります。SoRは記録のためのシステムで、会計、人事などの基幹システムがそれに当たります。SoRは顧客を含む事業関係者との“絆”を作るためのシステムで、モバイルやSNS、IoT…
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2014年12月25日号
ワークスタイル変革で先進的な取り組みをしている日本マイクロソフトですら、品川オフィス移転時には肯定的な反応が少なかったというのは驚きでした。いかにツールが優れていても、最後は社員自身が積極的に取り組まない限り成功はあり得ません。面白いのは伊藤忠商事の施策です。社内SNSの「Yammer」を普及させ…
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2014年12月11日号
オープンソースソフトウエア(OSS)の多くは無料で利用できます。だからといって「ただ乗り」をしていて良いのでしょうか。今回のOSS特集ではこの問題に切り込みました。米国にはApacheソフトウエアファウンデーションのようなOSS支援団体が複数存在しますが、日本には「Rubyアソシエーション」や「S…
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2014年11月27日号
「事件は会議室で起きているんじゃない!現場で起きているんだ!」。特集1の取材をしているとき、映画「踊る大捜査線」の有名なセリフを思い出しました。かつてのオフィスと現場は、この映画の会議室と現場のように断絶されたものでした。しかし今は違います。スマートデバイスにより、両者の境界はどんどんなくなってい…
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2014年11月13日号
「Fast Fail」─クラウド特集でユーザー企業を取材したときに何度か耳にした言葉です。後から変更しやすいクラウドは、とにかく早く試したほうがいい。失敗した場合でもすぐに撤退できるので、早く始めた分だけノウハウがたまり、成功する確率が高まります。PaaSによってアプリ開発のスピードがさらに高速化…
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2014年10月30日号
中学時代には担任の教師、大学ではサークルの友人、そして会社では尊敬する先輩。身近な人が若くして突然の病気で亡くなりました。何度遭遇しても慣れるものではありません。もちろん、どうしても避けられない不運もあるでしょう。ですが、最新のITを使いこなすことで、病気の兆候をつかみ、救えた命もあったかもしれま…
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2014年10月16日号
同じIT業界に属していても、知っているようで知らないことは少なくありません。業界全体で見ると、新規開発プロジェクトはどのくらい成功しているのか。長時間残業が付き物というイメージがある情報システムの仕事だが、実際のところはどうなのか。こうした素朴な疑問が、今回の特集の始まりです。私は3年前までSEを…
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2014年10月2日号
2008年頃から米グーグルが公開する技術論文をチェックしています。当初は大規模分散処理技術に関する論文が興味の対象だったのですが、2011年を境に論文が「機械学習」に関するものばかりに変わったので、興味も自然とそちらに移りました。それから3年が経ち、今年に入ってようやく、機械学習のインパクトを読者…
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2014年9月18日号
日立の強みは、幅広い事業分野を抱えていること。鉄道や電力の事業部と共同してITサービスや機器を売り込むことで、富士通や米IBMとは異なる顧客にビジネスを拡大できます。ただ、それにあぐらをかいてはいられません。情報・通信システム社がビジネスを主導しないと、日立社内でIT部門が「下請け」になりかねない…
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2014年9月4日号
「石を投げれば眼鏡職人に当たる」──。福井県鯖江市では、眼鏡産業に携わる人の多さをこう表現します。鯖江商工会議所によると、眼鏡関連の会員事業所は現在約400。それでも、ピーク時に比べると約3分の2に減ったそうです。創業から90年以上の歴史をもつ三工光学の三輪英樹社長は「眼鏡の製造には300近くの細…
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2014年8月21日号
顧客満足度調査の回答企業に直接話を聞いて、“ツッコミ力”の大切さを感じました。ある地銀担当者は作業室で顧客データを扱うベンダーSEに対し、冗談交じりに「情報漏洩とか大丈夫だよね?」などと尋ねるそうです。もちろんセキュリティ体制は整備していますが、場面場面でツッコミを入れることも抑止力につながると、…
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2014年8月7日号
転換点。「Windows Server 2003」からの移行を模索する2014年は、そう記憶される年になるだろう。10年前の2004年、筆者は「さらば32ビット」という記事を書いた。IAサーバーは32ビットから64ビットへの転換点を迎え、ソフトウエアも次々と64ビット対応を打ち出した。当時、焦点の…
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2014年7月24日号
「地元で結婚相手を見つけ、子育てをしたいというニーズは、愛媛県ではまだ根強い。東京中心のサービスでは対応できない」。こう断言するのは、えひめ結婚支援センターの能智千恵子氏。地元の企業や飲食店、ボランティアの協力を得つつ、ITシステムの整備を続けたからこそ、300組のカップルを結婚に導けたと言います…
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2014年7月10日号
「セキュリティに関する取材は断っているが、CSIRTに関しては別。取材に協力するので、CSIRTを構築するよう記事で書いてほしい」。ある企業の担当者は、こう言って取材に応じてくれました。同様に、今回の取材に対応してくれた担当者の多くは、「CSIRTを持つ企業が増えてほしい」と話してくれました。私も…
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2014年6月26日号
7月、個人情報保護法の改正に向けた大綱案が公表されます。特集では、「パーソナルデータに関する検討会」の議論などをもとに法改正によって想定されるデータ活用の未来像と、極めて密度の濃かった検討会での議論の成果をまとめました。2013年9月に始まった検討会では、プライバシーを保護しながら個人データを有効…
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2014年6月12日号
人材問題の解消に王道なし─。取材を通して改めて実感しています。販社の人材を配置転換しているミサワホームは鶴の一声で進めているわけではなく、粘り強い交渉を続けています。中途採用もまた同じ。SBI証券は社員の紹介など、あらゆるパイプを使って人材を探しています。人事の取り組みを語るとき、多くのシステム部…
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2014年5月29日号
仮想通貨に、日本の社会に貢献できるグッとくる用途はあるのでしょうか。米国では銀行口座すら開設できない貧困層が多く、仮想通貨は決済や送金の代替手段になります。日本には、米国のような差し迫った社会的ニーズがありません。一つあり得るとすれば、NPO法人など非営利団体への寄付でしょうか。非営利団体はカード…
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2014年5月15日号
「アジャイルが“大人”になった」。ウォーターフォール型開発とアジャイル開発の長所を併せ持つ「エンタープライズアジャイル」について、アジャイル開発に詳しい、チェンジビジョンの平鍋健児社長はこう評しました。確かに、アジャイル開発が登場した当初は“やんちゃ”な一面がありました。従来の手法と真逆な価値観を…
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2014年5月1日号
特集で取材したノーリツ鋼機の西本博嗣代表取締役CEOは、変化の激しい現在、必要とされる人材を次のように例えています。「野球でヒットを打って一塁に出たら、リードするじゃないですか。ピッチャーの牽制球がきたら一塁に戻らなければならないし、ピッチャーのモーションがちょっと甘ければ二塁に盗塁する。あのリー…
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2014年4月17日号
昨年の11月中旬にカナダD-Wave Systemsへ取材に行きました。インタビューの冒頭、同社の幹部は「日本からよく来てくれた」と言いながら、1冊の古びた本を見せてくれました。それが、故・後藤英一博士の著書「Quantum Flux Parametron」でした。「D-Waveはここから始まった…