編集後記
目次
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2014年4月3日号
非常に緊張したからか、初めて顧客を訪問したときのことは今でもよく覚えています。当時、私は新卒でITベンダーに入社したばかり。その際、私に同行してくれたのは上司でも先輩でもなく、派遣技術者の方です。それから5年間、担当システムの知識が豊富で顧客との信頼関係も厚い彼に、何度も助けてもらいました。こうし…
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2014年3月20日号
アシスタント・イングリッシュ・ティーチャー(AET)をご存知でしょうか。小中学校などで英語の授業の助手を務める外国人のことです。文部科学省などが協力する「JETプログラム」という制度の下、海外の若者を毎年4000人ほど招致しています。特集の取材を通して、このJETプログラムを通じて来日したというIT…
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2014年3月6日号
現在情報システムのセキュリティで起きていることは、かつての「岡崎市立中央図書館事件」と同じ構図なんですよ――。取材で伺った専門家の言葉が印象に残っています。この事件では、本来は図書館内での利用を想定して開発した蔵書検索システムを、インターネットサービスとして開放した結果、多数のアクセスをさばけない…
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2014年2月20日号
群馬大学の片田敏孝教授に初めて取材したのは、2007年のこと。セキュリティ対策を考える上で、片田教授が指摘する「正常化の偏見」(自分は大丈夫と思う心の働き)は欠かせない視点だと考え、ITproで記事化しました。片田教授は防災の専門家ですが、その教えは防災だけでなく、広くリスクマネジメント全般に有益…
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2014年2月6日号
大規模案件でIT技術者の不足が深刻化する2015年問題ですが、なかでも不足が叫ばれているのが番号制度関連システムです。特に中小規模の自治体の場合、公共系の業務に詳しいSEを確保できるかどうか。公共系に詳しい技術者を新たに育てようにも「特需が過ぎた後、その技術者に仕事を回せるだけの案件は見込めない」…
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2014年1月23日号
自分たちをシステム屋だと思ったことはない――。LCCであるバニラ・エアの上田晃裕ICT部長はこう語ります。上田部長の肩書きにある“ICT”は、世間一般でいう「インフォメーション・コミュニケーション・テクノロジー」ではなく、「イノベーション・コマーシャルアンドテクノロジー」の略とのこと。同社のシステ…
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2014年1月9日号
日経コンピュータが生まれ変わりました。媒体ロゴを約10年ぶりに変更、コンテンツとデザインの両面で、文字通り誌面を一新しました。
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2013年12月26日号
スマートデバイスのOSはアップデートが頻繁。開発した業務アプリを常に最新OSに追随させていくのはなかなか骨の折れる作業です。それ以上にやっかいなのが、従業員への周知徹底。iOSでは従業員が勝手に新OSにアップデートしてしまうことを技術的に防ぐ手段がありません。システム部門がいくら周知しても、更新し…
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2013年12月12日号
日本人はExcel好き。このフレーズを聞いたことがある読者の方は多いかと思います。今回、特集で紹介した「超Excelソフト」を開発する海外企業のトップに取材した際に、「日本企業ではExcel活用が盛んだ」と言ったところ、「日本だけではない。世界のあらゆる企業で最も活用されているソフトがExcelだ…
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2013年11月28日号
グローバルIT企業のディメンションデータをNTT持ち株会社が買収―2010年にこの報に触れたときは驚きました。当時は新聞記者としてIT業界を取材していましたが、なぜNTTが?というデスクの質問にうまく答えられませんでした。それから3年、買収した企業がNTTデータやNTTコムの海外子会社と現場レベル…
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2013年11月14日号
夫婦共働きの我が家は、通販無しでは生活できません。食品は生協やネットスーパー、子供服は楽天で調達。おむつと書籍は、アマゾンで一緒に購入しています。ある程度まとめて購入したり、配達時間を指定したり。物流が高度に発達した日本では、それを上手に使いこなすことで、生活の質を高められるようになりました。企業…
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2013年10月31日号
私が子供の頃、300年近く噴火が無い富士山は「休火山」だと教わりました。しかし現在、「休火山」や「死火山」といった分類は廃止され、2003年からは「1万年以内に噴火した火山」を全て、活火山と呼ぶようになりました。現在の定義では富士山も、噴火への備えが求められる「活火山」。日本国内には富士山を含めて…
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2013年10月17日号
プライバシー保護について記事を書くことは、記者として大変ストレスが溜まる作業です。企業を取材すれば「細かい事を聞く記者だなあ」と面倒がられ、データ利活用も大事と書けば「企業に迎合している」と匿名の方に突き上げられ、あまり良い記憶がありません。それがここ最近、企業が「もっとデータを使わせてほしい」と…
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2013年10月3日号
株式やデリバティブ商品などをコンピュータが高速で自動取引するHFT(高頻度取引)。証券会社の中にはスピード競争を勝ち抜くために、演算処理をCPUを介さず高速処理できる半導体チップ「FPGA」を導入する企業も出てきました。外資系証券会社などはFPGAの設計エンジニアを自社で抱え、グローバルで統一した…
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2013年9月19日号
取引先からの要請があれば、社員にパソコンを持たせてジャングルでも砂漠でも派遣します―。「見える化」について取り上げた特集の取材中、こんな話を聞きました。特集に登場した企業は既に世界の拠点が複数あります。新設の拠点は、日本から遠く離れたアフリカなどに移っています。一方で技術進化により、インターネット…
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2013年9月5日号
広島東洋カープを偏愛する私が今年、東京ヤクルトスワローズのファンクラブに入会してしまいました。神宮球場で開催されるカープ戦のチケットを、ネットで購入するのが目的です。ヤクルトの「スワチケ」の利用者には、私のような他球団ファンも多いはずです。特集ではヤクルトを筆頭に、「顧客を増やす」ためにIT、とり…
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2013年8月22日号
システム開発・運用をITベンダーに委託することを、結婚に例えることがあります。婚姻届を表紙デザインで用いたのは、そういう理由です。婚姻届を役所に出したからといって、楽しい日々が過ごせる保証はありません。お互いが尊重し合い支え合っていくことが不可欠です。システム開発・運用も同様で、ユーザー企業とIT…
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2013年8月8日号
けたたましいクラクションはアジアの華。現地取材に行くたびに、そう感じます。今でこそ静かな日本の道路も、かつては同じようにクラクションが鳴り響いていたのかもしれません。とはいえ、「活気があってあの頃は良かった」と懐かしむ必要はないと思います。日本の道路が静かなのは、交通インフラを整備し、渋滞の解消に…
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2013年7月25日号
いや、今は表だってXP延命のソリューションを打ち出せないんですよ…。取材に伺ったITベンダーの大半でこんな台詞を聞きました。今は延命を口にせず、ユーザー企業の危機感を高めるのが最善。その意図はよく理解できます。ですが、もはやそうした余裕はなく、延命を前提にしたセキュリティ対策を真剣に考えるタイミン…
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2013年7月11日号
特集の取材をする中で、Scalaの識者の方々がJava 8(Java SE 8)を意外にもライバル視していることが印象的でした。関数型の利点をフルに引き出すのであればScalaに分があるわけですが、Scalaを「Better Java」として使うのであればライバルになり得るとのこと。とはいえ「関数…