PR
図●ガジェットはWeb技術で構築した小規模なアプリケーション
図●ガジェットはWeb技術で構築した小規模なアプリケーション
[画像のクリックで拡大表示]

 WebブラウザやOSデスクトップ上で動く小規模なアプリケーションの総称。英語の「Gadget(面白い小物)」が語源。「ウィジェット(Widget)」や「ブログパーツ」と呼ぶこともある。

図●ガジェットはWeb技術で構築した小規模なアプリケーション
図●ガジェットはWeb技術で構築した小規模なアプリケーション

 比較的簡単に開発・配布できる割には専用ソフト並みの使い勝手を実現できる特性を評価され、新たなアプリケーション実行環境として注目を集めている。一般にHTML、XML、CSS、JavaScript、Flash(Action Script)といったWeb技術を使って開発する。サーバーと連携する際も、規定のWeb APIを利用するだけでよい。特定のOSには依存しないので、可搬性に優れる()。

 現在流通しているガジェットの多くはカレンダーや天気予報、株価表示といった個人ユーザー向け。ただし最近は、独SAPや米オラクルをはじめとする業務ソフトベンダーも活用に乗り出している。例えば、オラクルはSaaS型顧客情報管理(CRM)ソフトの強化機能として、顧客情報を手軽に閲覧するガジェットを開発した。

 ガジェット実行環境にはWebブラウザ上で動作するタイプと、OSデスクトップ上で動くタイプの2種類がある。前者の代表は米グーグルの「Googleガジェット」や米マイクロソフトの「Windows Liveガジェット」。グーグルの例では、ポータルサイト「iGoogle」から好きなガジェットを選び、ブラウザ上に自由に配置できる。またWebページやブログに1~2行のタグを追加すれば、ガジェットを埋め込める。

 一方、OSデスクトップ上で動くのは、グーグルの「Googleデスクトップ」やマイクロソフトの「Windows Vista サイドバー」、米ヤフーの「Yahoo! ウィジェット」、米アップルの「Dashboard ウィジェット」、米アドビシステムズの「Adobe AIR」などである。いずれも各社が配布している専用の実行環境ソフト(実行エンジン)上で動作する。2008年からは携帯電話用OSで動くガジェット実行環境も登場しつつある。

 各社のガジェット実行環境には互換性がない。例えばGoogleデスクトップ向けに作成したガジェットは、Yahoo!ウィジェットでは動かない。

 Web技術の標準化団体「W3C」が2006年からガジェット標準の策定を進めているが、歩みは遅い。現時点で規格化できているのはごく一部の仕様のみ。最近は「技術の進歩が速く、標準化団体での規格化は難しい」との見方も出てきた。

 ガジェットの課題はセキュリティ。ガジェットの実行環境はHTMLやJavaScriptなどを解釈できるので、ブラウザと同様のセキュリティ攻撃に遭う危険がある。2007年発見されたGoogleデスクトップのぜい弱性は、悪用すると外部の第三者がパソコン内のファイルを盗み見られる深刻なものだった。

 ガジェットは便利でソフトの生産性が高い仕組みである半面、管理者にとっては頭の痛いところである。