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 社内の業務システムに散在するデータを抽出・加工し、意思決定に役立てる考え方。データ分析の専門家ではなく、経営層や業務部門のスタッフが、調達・生産・販売などを横ぐしで分析する重要性に着目したことが特徴だ。約20年前、米ガートナーが提唱した。

 BI(ビジネスインテリジェンス)の狙いは、主に二つある。一つは、社内の業務システムから集めた実績データを多様な切り口でみることで、思い込みを排除することにある。思い込みを排除できれば、その時々で最適な意思決定を下せるようになり、ビジネスチャンスの取りこぼしを減らせる。

 二つめは、膨大なデータに埋もれていた知見を発見することにある。経営層や業務部門のスタッフは、得られた知見を基に仮説検証を繰り返し、新商品の開発や業務効率の改善に役立てられる。

 BIを実現するため一般には、専用の情報システムを構築する。BIシステムと呼ばれるものだ。個々の業務システムは、生産や販売といった特定の業務、しかも1カ月や四半期などの、当座の業務をこなすためのデータしか扱わない。このため、業務システム横断でデータを統合し、すばやく抽出・分析できる専用の情報システムが必要になる。

 BIシステムは、二つの部分から構成される。一つは、必要となるデータを収集・整理し、適切な形で格納するデータ基盤である。もう一つは、分析専用のデータベースであるデータウエアハウス(DWH)にアクセスして、データを加工したりする分析基盤だ。

 データ基盤は、ERP(統合基幹業務)やSCM(サプライチェーン管理)、CRM(顧客関係管理)といった基幹系システムから、データを抽出・加工・書き出し、DWHに格納する役割を担う。データの抽出・加工・書き出しには、コード体系の変換処理機能などを備えるETLツールを活用する。加えて、経営層や業務部門のスタッフの使用目的に合わせてデータを切り出したい場合は、データマートと呼ばれる小型のDWHを構築し、応答速度を速めたりする。

 対する分析基盤は、レポーティング、データ分析、ダッシュボードといった機能を備えたソフトウエア群で構成する。例えば、データマイニングソフトやテキストマイニングソフトなどがそうだ。こうしたソフトウエア群を総称して「BIツール」と呼ぶ。DWHやデータマートへのアクセスには、Webブラウザーなどの専用クライアントソフトを利用する。

 最近では、クライアントパソコンにあるExcelデータなどをDWHのデータと結合し、新たな集計データを作成する機能を備える“新型”BIツールが登場している。“新型”を使えば、Webサイトの株価データやイベント会場でのアンケートデータなどの社外データと、販売実績などDWHに蓄積したデータの関連を、同一の画面上で分析できる。データの所在を意識する必要がないわけだ。マイクロソフトが5月、ウイングアーク テクノロジーズが3月にこうしたBIツールの提供を開始している。

 IDCジャパンは、BIツールやDWH構築ソフトなどを含む国内ビジネスアナリティクスソフトウエア市場が、2013年まで年率平均7.5%で成長すると予測する。