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 画面に指で触れて操作する、薄型・軽量のパソコン。A5判程度の本体に、ほぼ同サイズの液晶画面を搭載する。キーボードはなく、画面を指でなぞったりつついたりして操作する。

 2010年はまさに、タブレット元年になりそうだ。筆頭が米アップルの「iPad」。米国で2010年4月、日本でも5月に発売を開始した。同社によれば、米国での発売開始後80日で、300万台を発売。社会現象とも言えるブームを巻き起こしている。

 他のパソコンメーカーも、一斉にタブレットパソコンを発表した。米ヒューレット・パッカードはWindows 7を搭載した「Slate PC」を発表済み。さらに買収したスマートフォン大手の米パームの技術を使って、タブレットパソコンを製品化する。米デルは6月から「Streak」を英国で出荷。米国でも今秋までに発売する。日本での発売時期は現在、検討中だ。

 米グーグルも、「Chrome OS」を搭載したタブレットパソコンのコンセプト写真を公開済み。Chrome OSはグーグルが開発を主導するWeb専用OSで、搭載機の登場時期は早ければ2010年末とみられる。

 日本のパソコン大手は、東芝が8月、折りたたみ型のタブレットパソコン「libretto W100」を発売する。他のタブレットパソコンと異なり、見開きの両面にタッチ操作が可能な液晶画面を搭載する。NECは早ければ2010年10月に、OSに米グーグルの「Android」を搭載したタブレットパソコン「LifeTouch」を出荷する。

 タブレットパソコンに大きな注目が集まるのは、従来のパソコンともスマートフォンとも違う、新たなコンピュータの使い方を切りひらく可能性を秘めているからだ。パソコンに比べたスマートフォンの利点は、起動が速く、ネット接続も容易な点。一方で画面が小さいため、表現力は劣る。タブレットパソコンは両者の利点を併せ持つ。

 最も活気づいているのが、電子書籍をはじめとしたデジタルコンテンツの配信サービスだ。ソフトバンクのグループ企業であるビューンは、6月からiPadや携帯電話向けに電子書籍配信サービスを開始した。NTTは角川グループホールディングスと業務提携し、電子書籍などの配信を手掛ける「NTTプライム・スクウェア」を、2010年2月に設立した。ソニー、凸版印刷、KDDI、朝日新聞社の4社は7月1日、電子書籍配信の事業企画会社を設立。年内にサービスを始める。

 iPadを業務用途に使う動きも広がっている。みずほ銀行は7月から、営業店での顧客対応に試験導入する。営業店を訪れた顧客に対して、窓口の行員が投資信託や外貨預金といった金融商品の内容を説明したり、顧客ごとの資産運用状況を見せたりする。中古車販売大手のガリバ ーインターナショナルは6月から、顧客の自宅を訪問して中古車を販売する業務で、iPadを試験利用している。大塚製薬は7月に、医薬情報担当者(MR)向けに、iPadを1300台導入する。各社はノートパソコンと比べて、表示画面を容易に拡大・縮小できるといった操作性や表現力を評価。顧客と対面して商品を説明する用途に最適と判断した。