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 米フェイスブックが運営する世界最大級のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)。自分のプロフィールを登録し、友人や知人との間でメッセージや写真を共有したり、共通の話題を持つグループに参加して議論したりする。2004年当時、米ハーバード大学の学生だったマーク・ザッカーバーグ氏が、学生の顔写真を載せたデジタルアルバムとして開発・公開したのが始まり。利用者数は全世界で5億人を超える。2007年5月、利用者がFacebook上で自由にアプリケーションを開発するためのAPIを公開したことが、普及のきっかけとなった。

 現在、ザッカーバーグ氏は世界で最も注目される人物の一人だ。米国の『TIME』誌は、2010年に最も注目すべき人物としてザッカーバーグ氏を選んだ。この1月15日には、ザッカーバーグ氏を主人公にして、Facebookが誕生するまでを描いた映画「ソーシャル・ネットワーク」が、日本で公開された。

 なぜこれほどFacebookに注目が集まるのか。それはFacebookが、従来の「リンク」に代わるWebの新たな基盤情報とみなされている「ソーシャルグラフ」を使ったサービスの、世界最大の提供者であるからだ。

 ソーシャルグラフとは、SNSにおける人間関係図のこと。グラフといっても目に見える図ではなく、利用者同士のつながりや交友関係、参加するグループなどを示す情報を指す。

 SNSの利用者は、実世界での交友関係を基にSNS上での友人を探したり、共通の知人同士を紹介し合ったりする。単なるリンクや、面識のない他人が興味を持っているコンテンツではなく、友人が興味を持っているコンテンツや商品、信頼している知人のお薦めならば、クリックされたり他人に推薦されたりする可能性が高い。そこで企業は、販促活動の有用な情報として、ソーシャルグラフを重視し始めた。

 ソーシャルグラフを活用したFacebookの機能の一つが、「いいね!ボタン」。利用者が気に入ったコンテンツにチェックを付けるための機能だ。自分がチェックしたコンテンツは、友人全員に共有される。あるコンテンツにチェックを付けているFacebook利用者も分かる。Facebookは「いいね!ボタン」をFacebook以外のWebサイトに付けるためのAPIも公開している。

 知人が知人を呼ぶクチコミ効果を期待して、「いいね!ボタン」を使ったキャンペーンを展開する企業が増えている。米リーバイスは、自社サイトに「いいね!ボタン」を取り入れ、気に入った商品をチェックできるようにしている。どの商品を何人が閲覧したかも一目で分かるため、人気の商品を簡単に選べるようになっている。

 現在のところ、日本におけるFacebookの存在感はいまひとつだ。利用者数は約200万人で、2000万人を超える「mixi」とは大きな開きがある。Facebookを利用する際には、実名で利用者登録するのが原則。これが日本のネット利用者になじみにくいことなどが理由とみられる。とはいえ、ミニブログの「Twitter」やクーポン共同購入の「グルーポン」など、ソーシャルグラフを使ったサービスは日本でも急速に広がりつつある。Facebookも、一つのきっかけで普及に弾みがつくかもしれない。