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 自動車部品の製造を手掛けるホンダ子会社の八千代工業は、業務プロセスの可視化ツールを活用することで、間接業務の工数を2年間で約3割削減した。2012年4月からは、新しい業務プロセスに基づいて設計した人事システムや生産管理システムを刷新することで、さらなる合理化を図る。

 同社が採用したツールは、システム科学が開発した「HIT」だ。データの入力や転記、承認といった業務プロセスを図示したり必要工数や余剰工数を積算したりしながら、業務の無駄を見つけ出すことができる()。

表●八千代工業が利用した可視化ツールの操作画面
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 業務改革推進室の斎藤勝美室長は、「コンサルタント任せにせず、実務担当者が自ら業務プロセスを分析するからこそ、実効性のある合理化策を見つけられる」と説明する。同社では従業員の3分の1に当たる約750人が、可視化ツールを活用した合理化プロジェクトに参画した。その結果、2年で約4万件の改善提案が出され、工数の3割削減を達成した。

 作業担当者は、「伝票を起票する」「補足資料を作成して印刷する」「上長が承認印を押す」「社内便で送る」「経理担当者が紙と入力データを照らし合わせる」といった業務プロセスや作業時間を可視化ツールに入力。続いて、工数や人件費をシミュレーションしながら画面上で業務プロセスを組み替え、無駄を見つけ出した。

 八千代工業では、労働時間のうち実際に作業を行っている時間は約半分とみなして、生産性を評価した。残業を含む年間労働時間は2000時間なので、1000時間が作業時間となる。今回の取り組みで工数を3割削減したため、単純計算で一人当たり300時間、全社(750人分)で22万5000時間分の人的リソースを生み出したことになる。同社はこのリソースを、新製品の開発や海外進出などに投じて売り上げ拡大を目指す。

 新しい業務プロセスを定着させるため、業務システムも刷新する。2012年4月に人事システムを、2012年末までに生産管理や設計支援システムを刷新する計画だ。

 さらに、可視化ツールを活用した業務改革を、海外拠点にも広げる。まずは2012年10月をメドに、北米にある五つの海外子会社で実施する。斎藤室長は、「2020年までに生産性を2倍に高めたい」と目標を語る。