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 米グーグルが開発を主導する、スマートフォンなどモバイル機器向けオープンソースOSの最新版。アイスクリームサンドイッチの開発コード名で呼ばれており、2011年10月に開発用ソフト群を公開した。Android4.0を搭載したスマートフォンは、韓国サムスン電子が世界で初めて同年11月に「GALAXY NEXUS」を投入した。

 Android4.0の特徴は、スマートフォンとタブレット端末用のOSを融合させたことである。スマートフォン向けはAndroid2.x、タブレット端末向けはAndroid3.xと別々に提供してきたが、一本化する。Android4.0は同3.xを洗練させた画面デザインで、スマートフォンとタブレット端末のユーザーインタフェースの見栄えや操作感を統一できる。

 モバイル端末の活用を推進する企業のシステム部門にとっては、スマートフォンとタブレット端末で異なるOSのバージョンを管理したり、それぞれのプラットフォームで動作を確認したりするといった手間を軽減できる。

 もう一つの特徴が、従来型の携帯電話に比べて弱いとされてきた、端末間のデータ交換機能の強化だ。

 非接触で通信できる国際仕様のNFC(近距離無線通信)の仕組みを使う「Android Beam」は、端末同士を重ねるだけでアドレス情報や写真を手軽に交換できるようになる。音楽や動画、アプリといった大容量のデータをやりとりすることも想定している。

 「Wi-Fi Direct」と呼ぶ、無線LANを使って端末同士で直接通信する機能も追加した。例えば、インターネットの接続環境がない場所でも、Android搭載端末を持つ周囲の友人と対戦型ゲームを楽しめるようになる。

 スマートフォンやタブレット端末の新たな周辺装置として期待が高まっている、健康機器とのデータ交換も容易だ。近距離通信技術Bluetoothの業界団体で策定する健康機器向けの接続仕様「Bluetooth Health Device Profile」を盛り込んでいる。

 Androidの登場で、携帯電話メーカーが機種別にアプリケーションや機能を開発する「垂直統合モデル」が崩れた。「水平分業モデル」が一般的となり、米アップル以外の端末メーカーが次々と採用しスマートフォン市場に参入してきた。米調査会社のニールセンによると、2012年第1四半期におけるスマートフォンのOS別シェアはAndroidが48.5%と、アップルのiPhoneに搭載しているiOSの32.0%を大きく引き離している。

 Androidはインターネットに接続できる高機能テレビの「スマートテレビ」にも搭載され、勢力を拡大している。2012年はスマートテレビ元年とも言え、Android4.0を採用する製品が続々と登場する見通しだ。

 国内のスマートフォンメーカーは、サムスン電子に比べて世界展開で後れを取っている。自社製品の販売台数が少なく、開発リソースに限りがあるなどの理由でAndroid4.0の採用を見送ってきた。2012年夏モデルでは日本の各メーカーもようやくAndroid4.0を搭載する。単に搭載するだけでなく、新機能を生かした魅力的な端末やサービスを提供できるかどうかが、市場での生き残りを左右しそうだ。